世の中には多くのダイエット法があるが、その方法は、食べる量を減らしたり、運動をしたりするというものが多い。そういったダイエット法は継続することが難しく、挫折してしまったり、ストレスから暴飲暴食をしてリバウンドしてしまったりした経験があるのではないだろうか? そこで、食べ方を変え、自身も12キロのダイエットに成功した保健師・松田リエさんの著書『ずぼら瞬食ダイエット』から、「ストレスなく、食べて痩せる」コツをご紹介します。
文/松田リエ(ダイエット講師)
「減らす」から「食べる」にシフト。朝ごはんは必ず食べて!
女性は運動を頑張るより、基礎代謝を意識したほうがやせ体質になる近道! そのために大切なのが、毎日の食事です。みなさん、夜は太りやすいから、手っ取り早くやせられるから、と食事を抜いたことはありませんか? でも、それは絶対にダメ。なぜなら一時的に体重は落ちても、逆に太りやすくなるリスクがあるからです。
食事を抜いて摂取カロリーが極端に減ると、脳は飢餓状態と判断し、エネルギーを節約したり筋肉を分解したりします。すると脂肪をため込みやすくなるのはもちろん、筋肉量が減って基礎代謝が下がり、さらに太りやすくやせにくい体へとつながってしまうんです。
だからこそ、やせたいなら「減らす」のではなく、むしろ「食べる」ことが大切。基礎代謝アップのためのポイントを3つ押さえましょう。
1.たんぱく質をとる
たんぱく質をしっかりとると筋肉維持に役立つのはもちろん、食後の体温が上がり、脂肪が燃えやすくなります。
2.肝臓の機能を落とさない
基礎代謝を下げないためには、筋肉とともに肝臓の機能を落とさないことも大切。それは、基礎代謝のうち筋肉は約2割、肝臓は約3割のエネルギーを消費しているから。肝臓は、筋肉の1.5倍ものエネルギーを使ってくれるんです。肝臓の機能をキープするには、お酒を飲みすぎないこと、ビタミンやミネラルをしっかりとること、添加物など体にとって不要なものをとりすぎないことが大切です。たんぱく質や脂質を食べすぎないことも挙げられますが、たんぱく質の摂取量が減ると肝臓の機能も低下するといわれているので、毎食の適量摂取がおすすめ。脂質も体に不可欠な栄養素なので、量と質を意識しましょう。
3.3食、特に朝食をしっかり食べる
一番大切なのがこれ! 食事をとることでエネルギーを消費するので、食べること自体が代謝アップにつながります(食事誘導性熱産生)。なかでも、朝食はとても重要。なぜなら朝食を食べると体温が素早く上がり、体温が上がると人間はその体温を維持しようとします。上がった体温が1日中維持できれば、結果としてその日1日の代謝がアップ!
逆に朝食を抜くと体温の上昇時間が短くなり、エネルギー消費が抑えられてしまいます。また、食欲が増して昼食を食べすぎてしまったり、血糖値が上がりやすくなってさらに太る原因になったりもします。
もちろん食事の内容も大切ですが、まずはたんぱく質を3食意識して食べることから始めましょう。
やせたいなら、3食たんぱく質で筋肉を落とさなければいい!
太りにくくやせやすい体になるためには、基礎代謝量を減らさなければいい、ということはおわかりいただけたと思います。ここではなぜ「たんぱく質」がおすすめなのかについてお話しします。
基礎代謝が低下する原因のひとつに、年齢を重ねることによる筋肉の減少がありましたね。実際、女性は30才を過ぎると1年に1%の筋肉が減少していくといわれています。だからこそ、「いかに筋肉を落とさないか」が女性のダイエットのポイントになります。
筋肉というと筋トレを連想する人も多いかもしれません。ですが女性は男性と比べて20分の1しか筋肉がつかないといわれていて、筋トレを毎日何時間も行うようなダイエットは不向きなんです。そうなると、筋肉を維持するためにはどうしたらいいのでしょう。実は筋トレよりもはるかにラクで、もってこいの対策があります。そう、それは毎日3食、たんぱく質をとることなのです!
たんぱく質は具体的にどんな食材に多く含まれるかというと、肉、魚、卵、豆、大豆製品、乳製品などです。たんぱく質が不足すると、筋肉が分解されてどんどん減ってしまうので、3食でバランスよくとることが大切です。たんぱく質をとると食後の体温が上がり、脂肪が燃えやすくなる効果もありますよ。
では、どのくらいの量を食べたらいいかというと、目安としては、毎食手のひら分程度の食材の量。たんぱく質のグラム数でいうと、20g 程度を目標にするといいでしょう。一般的な成人女性の場合、1日に体重×1.2g程度のたんぱく質をとると、筋肉量を維持できるといわれているからです。
難しい計算はしなくても、ざっくりで大丈夫。たとえば、私の場合はこんなふうに毎日食べるものを決めています。
・朝は簡単に、納豆と卵とヨーグルト
・昼はガッツリと、お肉を手のひら分
・夜はさっぱりと、お魚を手のひら分
これなら簡単ですよね。みなさんも今すぐ実践できるのではないでしょうか。
また、食事と食事の間隔が6時間以上あいてしまうと筋肉の分解が始まるといわれているので、朝食・昼食・夕食の時間を工夫するのもポイント。もしも仕事などでどうしても時間があいてしまう、という人は、おやつの代わりにチーズや豆乳などでたんぱく質を補給するといいですよ。詳しい食べ方は、次回ご紹介します。
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『ずぼら瞬食ダイエット』(松田リエ 著)
小学館
松田リエ(まつだ・りえ)
看護師・保健師・ダイエット講師。BelleLifeStyle 協会代表理事。1986年生まれ。一児のママ。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として従事。成人の健康教育、メタボリックシンドロームや糖尿病患者への保健指導を行う。この経験から、食卓を担う人が栄養や体の知識を身につけないと、日本の食習慣はよりよくならないことに気づく。自身が食生活で自然に12kgやせた経験を生かし、食べやせダイエット専門講師として起業。ダイエット相談に来る人の多くが面倒くさがりやであることに着目した、すぐ取り入れられる食事メソッドが評判を呼ぶ。受講生1250名をダイエット成功に導くかたわら、YouTube 再生1500万回、Ameba ダイエットブログ等、SNS でも活躍中。