30万部突破『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』を監修し、脳神経を専門としてこれまで約1万人の患者を診てきた内野勝行先生の著書『1日1杯 脳のおそうじスープ』から、衰えてきた脳に必要な「脳のクリーニング」についてご紹介します。

文 /内野勝行

そもそも「認知症」とはどのような病気なのでしょう?

一般的には、何らかの原因で脳細胞が死んでしまったり、働きが悪くなることによって、記憶や判断力に障害が発生し、社会生活や対人関係に支障が出ている状態が、 およそ6か月以上続いた場合に認知症と診断されます。

実は認知症とは正式な病名ではなく“状態”のことを示す言葉。診断のときには「●●●に伴う認知症」といったように、認知症を引き起こしていると考えられる病名がつくことがほとんどです。

そのため、認知症を伴う病気は「認知症性疾患」とも呼ばれます。 その代表的なものが「アルツハイマー病」です。 認知症を伴う病気はほかにもありますが、アルツハイマー病が認知症の発症原因としては突出して多いことから、本書では「アルツハイマー病」を中心として解説します。

認知症のおもな症状

●記憶障害
新しいことを記憶できなくなり、徐々にほんの少し前に聞いたことさえ思い出せなくなります。さらに、症状が進行すると過去の記憶も失われてしまいます。

●理解力・判断力の障害
2つ以上のことを同時にできなくなる、あるいは2人以上の人と話していると、誰が何を話しているのか、理解できなくなります。また、いつもと違う出来事が発生すると対処できずにパニックになってしまうようなことも起こりやすくなります。ほかにも、不要なものを購入してしまったり、銀行のATMの操作方法がわからなくなっ たりと、物事を判断する能力が失われていきます。

●見当識(けんとうしき)障害
今日が何年の何月何日なのか、今が春なのか夏なのかなど、時の流れに関する感覚が薄れていきます。症状が進行すると場所の感覚も失われて、自分がどこにいるかがわからなくなり、たびたび迷子になったりするようになります。最後は、自分の年齢や家族や親類などの生死に関する記憶も失われていきます。

●実行機能障害
計画を立てて段取りよく物事を実行することが困難になってきます。買い物で同じものを購入してしまう、料理を手順どおりに進められないなど、物事をスムーズに進められなくなります。

●感情表現の変化
状況判断ができなくなることから、イライラして怒りの感情を露わにしたり、まわりの目を気にすることなく感情をむき出しにするようになります。

我が国では高齢化が進むとともに認知症の人数も増加しています。内閣府の平成29年版高齢社会白書のデータによると、 2012年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の約7人に1人でしたが、2025年には約5人に1人に なるとの予測も公表されています。

そしてWHO (世界保健機関)の発表では、世界の認知症有病者数はなんと3560万人! 2050年にはなんと今の3倍の1億1540万人まで増えると予想されています。 ただし、この数字は医療機関を受診して認知症と診断された方だけのものです。 症状はすでに出ているのに受診していない方も含めると、患者数はもっと増えると考えられます。

認知症の怖いところは、症状が急激に悪化しないという点です。最初はちょっとした物忘れから始まり、その頻度が多くなってきて、次第に日常生活に支障が出るようになってきます。 「歳だから仕方ないわね……」と、本人もまわりの人たちも見過ごしてしまうのです。

しかし、この段階でなんらかの手を打たないと、症状は悪化してしまいます。ですから、ちょっとした物忘れがたびたびあることに気づいたら、すぐに専門機関を受診してほしいのですが、なかなかそうもいきません。

欧米では、専門家によるメンタルケアや、心療内科を受診することは一般化していますが、日本ではまだまだ抵抗がある人が多く、症状が顕著になっても専門機関を受 診することをためらう方が少なくないようです。

また困ったことに、認知症の疑いを他人に指摘されると怒ってしまう人もいます。私の患者さんのなかにもそういった方はいらっしゃるのですが、そうなると、家族関係はもちろん、人付き合いも少なくなって家に引きこもるようになり、ますます症状が悪化してしまうのが問題です。

認知症もほかのすべての疾患同様、早期発見が非常に大切です。早めの対策をとることで、完治はできなくても、症状の悪化を抑えることは期待できます。

「脳のおそうじスープ」の“素”の作り方

【材料(約8杯分)】
・トマト:大1個(200g)
・蒸し大豆、くるみ:各50g
・桜えび:10g
・すりごま:大さじ3(18g)
・ツナ缶(ノンオイル):2缶(140g)
・塩:小さじ1(6g)
・中濃ソース:大さじ1(18g)
・こめ油:少々

【作り方】
1 トマトをおろし金ですりおろす。
2 蒸し大豆とくるみを保存袋(大)に入れてくるみを砕きながら揉む。
3 2に1とその他の材料を入れる。
4 揉み混ぜてから平らにして冷凍保存する。

スープを飲むときは、冷凍庫からスープの素を60gほど割って取り出し、熱湯150mlを注ぎ、こめ油を少し垂らす。摂る頻度は1日最低1杯、時間帯はいつでもかまわない。

なぜ「脳のおそうじスープ」は効くのか

内野院長は、このスープには「脳の状態を整えるうえで有効な栄養素や機能成分が余すところなく含まれています」と説く。

例えば、ツナ缶のマグロの脂に含まれるDHAやEPA。これらは、血液サラサラ効果が高い点で特筆すべき栄養素だという。実は、アミロイドβ=「脳のゴミ」対策の前提として必要なのが、「血の巡りを良くしておくこと」。血管内に中性脂肪や悪玉コレステロールが多いと、いわゆる「ドロドロ血液」になる。こうなると、脳のゴミは血流に乗って体外へと排出されにくくなってしまう。また、認知症の2~3割は、「脳梗塞や脳出血・くも膜下出血など、脳の血管の病気によって引き起こされる脳血管型」だそうで、その意味でも、血液をサラサラの状態に保っておくことは重要。そのため、ツナ缶はスープの主要素材の一つとされている。

そして、トマトや桜えびには、抗酸化物質であるリコピンやアスタキサンチンが含まれている。内野院長は、アミロイドβ並みに怖い、ある種の脳のゴミとして活性酸素を挙げる。最近よく耳にする活性酸素は、普通の生活をしていても体内で発生する。これが過剰に発生すると、「さまざまな病気にかかるリスクが高まる」だけでなく、「アミロイドβの蓄積も促進」されるという。さらに、アミロイドβが活性酸素を作り出し、アルツハイマー病を発症するという研究報告もあるそうで、それを防ぐ抗酸化物質は、脳のおそうじの力強い味方になる。

* * *

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内野勝行(うちの・かつゆき)
30万部突破『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』を監修した名医。帝京大学医学部医学科卒業後、都内の神経内科外来や千葉県の療養型病院副院長を経て現在、金町駅前脳神経内科院長。脳神経を専門としてこれまで約1万人の患者を診てきた経験を基に、脳をクリーニングする「脳のおそうじスープ」を開発した。フジテレビ「めざましテレビ」やテレビ朝日「林修の今でしょ! 講座」などテレビ出演多数で、様々な医療情報番組の医療監修も務める。

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