30万部突破『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』を監修し、脳神経を専門としてこれまで約1万人の患者を診てきた内野勝行先生の著書『1日1杯 脳のおそうじスープ』から、衰えてきた脳に必要な「脳のクリーニング」についてご紹介します。

文 /内野勝行

体にいい油は「脳のおそうじ」を強力にサポートしてくれる

脳のゴミをおそうじする前に、大前提として血の巡りを良くしておくことが必要です。そうしないと、脳のゴミは血液の流れに乗って体外へと排出されません。 言い換えれば、“ドロドロ血液”もまた、脳のゴミの蓄積を招きます。

では、脳のおそうじにとって最大の障壁となる“ドロドロ血液”を改善するにはどうしたらいいのでしょうか?

脂質の摂り過ぎが原因なら、できるだけ脂質の少ない食品を食べればいいと考える方も多いでしょう。 しかし、脂質も糖質同様、健康な体を維持するうえでなくてはならない栄養素です。

ポイントは、体にいい油と悪い油を見極めればいいのです。まず摂り過ぎに注意したいのは、ラードやバター、肉の脂身、鶏皮などに含まれる動物性の脂質。これらは、体の中で固まりやすく、中性脂肪やコレステロールの増加を促進し、動脈硬化を進行させる原因となります。

また、トランス脂肪酸もできるだけ摂取量を減らしてほしい油です。トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすことがわかっており、海外では使用が禁止されているところもあるほど害のある「悪い油」です。

トランス脂肪酸が多く含まれるのは、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング(またはそれらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子)、揚げものなどです。

その一方で、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らしてくれる油があります。その代表格が、オリーブオイルやエゴマ油、魚に含まれるEPA ・DHA など。これらは、脳のおそうじを強力にサポートしてくれる「いい油」です。

ドロドロ血液も一朝一夕に改善できるものではありません。うまく油とつき合って いくことを常に心がけ、徐々に改善していきましょう。

ドロドロ血液を改善する食生活のポイント

ドロドロ血液にならないように、以下の点を気をつけましょう。

●食物繊維を含む食品をたっぷり食べる
●肉の脂、バター、マーガリンなどの動物性脂肪の摂取量を減らす
●トランス脂肪酸の摂取量を減らす
●善玉コレステロールを増やす青魚をたくさん食べる
●朝食抜き(1日2食)や夜遅い食事をやめる
●肉に偏った食事をしない
●腹八分目を心がける
●甘い飲み物や食べ物を食べ過ぎない
●お酒を飲み過ぎない

「脳のおそうじスープ」の“素”の作り方

【材料(約8杯分)】
・トマト:大1個(200g)
・蒸し大豆、くるみ:各50g
・桜えび:10g
・すりごま:大さじ3(18g)
・ツナ缶(ノンオイル):2缶(140g)
・塩:小さじ1(6g)
・中濃ソース:大さじ1(18g)
・こめ油:少々

【作り方】
1 トマトをおろし金ですりおろす。
2 蒸し大豆とくるみを保存袋(大)に入れてくるみを砕きながら揉む。
3 2に1とその他の材料を入れる。
4 揉み混ぜてから平らにして冷凍保存する。

スープを飲むときは、冷凍庫からスープの素を60gほど割って取り出し、熱湯150mlを注ぎ、こめ油を少し垂らす。摂る頻度は1日最低1杯、時間帯はいつでもかまわない。

なぜ「脳のおそうじスープ」は効くのか

内野院長は、このスープには「脳の状態を整えるうえで有効な栄養素や機能成分が余すところなく含まれています」と説く。

例えば、ツナ缶のマグロの脂に含まれるDHAやEPA。これらは、血液サラサラ効果が高い点で特筆すべき栄養素だという。実は、アミロイドβ=「脳のゴミ」対策の前提として必要なのが、「血の巡りを良くしておくこと」。血管内に中性脂肪や悪玉コレステロールが多いと、いわゆる「ドロドロ血液」になる。こうなると、脳のゴミは血流に乗って体外へと排出されにくくなってしまう。また、認知症の2~3割は、「脳梗塞や脳出血・くも膜下出血など、脳の血管の病気によって引き起こされる脳血管型」だそうで、その意味でも、血液をサラサラの状態に保っておくことは重要。そのため、ツナ缶はスープの主要素材の一つとされている。

そして、トマトや桜えびには、抗酸化物質であるリコピンやアスタキサンチンが含まれている。内野院長は、アミロイドβ並みに怖い、ある種の脳のゴミとして活性酸素を挙げる。最近よく耳にする活性酸素は、普通の生活をしていても体内で発生する。これが過剰に発生すると、「さまざまな病気にかかるリスクが高まる」だけでなく、「アミロイドβの蓄積も促進」されるという。さらに、アミロイドβが活性酸素を作り出し、アルツハイマー病を発症するという研究報告もあるそうで、それを防ぐ抗酸化物質は、脳のおそうじの力強い味方になる。

* * *

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内野勝行(うちの・かつゆき)
30万部突破『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』を監修した名医。帝京大学医学部医学科卒業後、都内の神経内科外来や千葉県の療養型病院副院長を経て現在、金町駅前脳神経内科院長。脳神経を専門としてこれまで約1万人の患者を診てきた経験を基に、脳をクリーニングする「脳のおそうじスープ」を開発した。フジテレビ「めざましテレビ」やテレビ朝日「林修の今でしょ! 講座」などテレビ出演多数で、様々な医療情報番組の医療監修も務める。

 

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