しわが目立って年齢プラス10歳に見える!? 今からできる対策とケア方法｜更年期の新習慣「漢方」Q&A（44)

とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの？ など、30～40代の「プレ更年期」や、40～50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。

実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか？

私の不調にも漢方が効くのか知りたい！　どうすれば根本解消できるの？　 そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。 第44回のテーマは、「しわ」です。医師の木村眞樹子さんに教えてもらいました。

1.しわが目立って年齢プラス10歳に見える…！ 改善方法はあるの？

博美さん 47歳女性 主婦の方からご質問をいただきました。

「年齢とともにしわができるのは当たり前なので、不自然なアンチエイジングをするより、ありのままの自分の姿を受け入れていこうと考えていました。しかし、ある日息子から『母さんの顔はしわしわでお婆さんみたいで恥ずかしい。三者面談は父さんに来てほしい』と言われてしまい、大きなショックを受けました。

確かに、鏡で自分の顔を見ても実年齢プラス10歳くらいの年齢に見えます。それ以来、自分の姿を人に見られるのが怖くなり、家に引きこもりがちになりました。今からしわを改善する方法はあるのでしょうか？」

ご質問ありがとうございます。

しわが目立ってくると年齢以上に老けて見え、鏡に写る自分の姿を見て自信をなくしてしまいますよね。

博美さんはお子さんからのひと言で、しわの悩みがより深くなってしまったそうですが、しわの原因は、実は更年期とも深い関わりがあります。
今からでもできる対策やケア方法を知り、しわを改善していきましょう。

2.しわの原因は卵巣機能の衰えによる女性ホルモンの分泌低下！

しわといってもその種類は様々です。

「乾燥じわ」は加齢などで肌の水分や皮脂が減少し、その名の通り乾燥することによって起きます。放っておくと、深いしわになることもあります。

「紫外線じわ」は紫外線が肌の深い部分にまで影響を与え、しわだけではなく「しみ」や「たるみ」の原因にもなってしまいます。

「表情じわ」は表情筋の衰え、表情癖によって起きます。肌の水分や弾力が低下していると、まるで一度折った折り紙のように跡が残ってしまいます。

そして、しわと更年期は密接な関係があります。更年期を迎えると、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少します。このエストロゲンは通称「美肌ホルモン」とも呼ばれ、肌の弾力のもとになるコラーゲン、水分量を増やす働きがあり、エストロゲンが減少すると、その美肌保持機能に支障が出てきます。

閉経５年前後を更年期といいます。この時期に卵巣機能が低下することによって肌の状態にも影響が出るのです。

3.更年期のしわを改善する４つの方法

更年期年齢の女性のしわには、毎日の丁寧なケアが肝心です。「今からではもう遅い」ということはありません。生活習慣や日々のケアを見直し、改善することで、しわを目立たなくできます。

3-1.乾燥を防ぎ保湿を徹底する

保湿は美肌ケアにとって要です。毎日、習慣的に行っていることだからこそ、見直す価値があります。肌に合った美容液や化粧水、乳液、クリームで保湿を十分に行いましょう。
美容液はコラーゲンやエラスチンなど、更年期女性に不足しがちな成分を補充するタイプがおすすめです。

オイルやクリームを塗るときは、じっくり時間をかけてフェイスマッサージを行うこともいいでしょう。摩擦はメラニン色素分泌の原因になるので、強く擦りすぎないように行います。

ただし、クレンジングのついでにマッサージを行うことは避けましょう。クレンジングはメイクを落とすために行うものですから、肌には負担がかかっている状態です。できるだけ短時間で終わらせましょう。

3-2.年間を通した紫外線対策

紫外線には「UVA（紫外線A波）」と「UVB（紫外線B波）」の2種類があります。このうち、しわの原因になるUVAを避けることが重要です。

UVAは天候に関係なく、たとえ曇りの日でも降り注ぎます。そして窓ガラスも通り、肌に悪影響をもたらします。

紫外線対策にはUVカットのクリームを使用したり、日傘を差したり、なるべく日陰を歩いたりなど、日常生活から意識的に避ける工夫をしましょう。夏だけでなく、5年を通して対策することが大事です。

3-3.不規則な生活習慣を避けバランスのよい食生活に

肌にとって睡眠不足は大敵です。不規則な生活習慣は百害あって一利なし、規則正しい生活と早寝早起きを心がけましょう。

また、アンバランスな食生活は栄養の偏りにつながり、肌の保湿やターンオーバーにも悪影響を与えます。食物繊維を摂取し、美肌ビタミンと呼ばれるビタミンB群や、ビタミンCが不足しないように意識しましょう。

エストロゲンと似た作用のある大豆イソフラボンを摂取することもおすすめです。大豆食品は比較的安価で種類や調理方法もバリエーションがあり、飽きにくいものが多いです。
味噌、納豆、豆乳、おからや油揚げ、煮大豆などを積極的に摂りましょう。

3-4.漢方でしわの改善を目指す

「しわを目立たなくしたい」
「ひと通り試したが、他にしわの改善方法があるか知りたい」

そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方医学的に肌のトラブルは「気・血・水」の乱れと考えられており、整えることでこころとからだ全体を、内側から改善します。
しみ、にきび、乾燥肌などの肌のトラブルに効果が認められている漢方薬もあります。

漢方薬は自然にある植物や鉱物などの生薬を組み合わせて作られており、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
また、症状の緩和、苦痛を和らげるための対症療法ではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すので、同じ症状を繰り返したくないという思いに応えてくれます。

バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、漢方薬なら毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
漢方でからだの内側から美肌を目指してみませんか。

しわに悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。

＜しわに悩む女性におすすめの漢方薬＞

ただ、漢方薬はその人の体質に合っていてこそ効果が現れるものです。体質に合っていないと、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。

とはいえ、自分に合う漢方薬を選ぶのはなかなか難しそうですよね。身近に相談場所がない場合、オンラインで相談できるサービスを利用するのもいいでしょう。

最近では、A Iを利用した「あんしん漢方（オンラインA I漢方）」などの漢方相談サービスも充実してきています。漢方に精通した薬剤師が、あなたに適した漢方を見極めてくれますよ。

こうしたサービスを利用して、効果と安全性が認められている漢方薬を生活にとり入れてみてはいかがでしょうか？

4.しわを目立たなくして、いつまでも若々しい見た目を維持しよう！

しわが原因で実年齢より老けて見えてしまうなんて、女性にとってはつらいですよね。今回紹介した対処法などを試しながら、しわを改善していきましょう。
最近は、自分に合った漢方薬を簡単に見つけることができます。きちんとした専門家に選んでもらいながら、正しくしわのケアをしていきましょう！

＜この記事を書いた人＞

医師　木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
●あんしん漢方（オンラインＡＩ漢方）： https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0044