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新型コロナの影響で、巣ごもり生活が常習化している。そんななか、“家飲み”の機会が増えているという方も少なくないのではないだろうか。そうでなくとも猛暑が続き、冷たいビールがうまい季節でもあるのだから。

しかし、家で飲む機会が増えたとすれば、それだけ体への影響も気になってくる。そこで参考にしたいのが、『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』(栗原 毅 著、フォレスト2545新書)だ。

タイトルにもあるとおり、著者は酒好きを自認する肝臓の専門医だが、特筆すべきは「まったくお酒を飲まない人より適量を飲む人のほうが健康を維持できる」と断言している点である。

もちろん適量を超えると、病気のリスクは高く跳ね上がるだろう。また、適量の度合いというものは、人によって異なるものでもある。

とはいえ、ある程度の目安があるのも事実。したがって、そこをわきまえて飲めばいいということなのだ。

ちなみに、量と並んで重要なのが「飲み方」である。摂取されたアルコールは肝臓で代謝され、その過程でアセトアルデヒドという有害な物質がつくられる。それこそが、二日酔いを引き起こしたり、顔を赤くさせたりする原因だ。

また当然ながら、アセトアルデヒドは肝臓にダメージを与えることにもなる。

肝細胞は約3000億個もあります。少しくらいの重労働なら耐えることができます。しかし、重労働が10年も20年も続くと、我慢強い肝臓も音を上げます。そして、気がついた時には、もうお酒が飲めない状況になっているのです。(本書「はじめに」より引用)

そこで著者は本書を通じ、「肝臓にやさしい飲み方」を明かしているのである。「そんな都合のいい飲み方などあるのか?」と疑いたくなるかもしれないが、同じ量のお酒を飲むにしても、肝臓にまったく負担をかけない飲み方はあるというのだ。

著者によれば、健康に最もよいのは、1日に20~40グラムのアルコールだという。そうだとすれば、なにをどのくらい飲めばいいのだろうか?

その点を明らかにするために、アルコール健康医学協会は、20グラムを1単位として整理する方法を推奨しているのだという。

たとえば、ビール500ml、日本酒1合、焼酎0.6合(約110ml)がすべて1単位(20グラム)というわけです。したがって、ビール500mlと日本酒1合を飲めば、許容量の2単位40グラムと計算ができます。(本書115ページより引用)

もうひとつ大切なのは、1日単位ではなく1週間単位で管理をすること。つまり、1週間の純アルコール量を140~280グラムに収めればいいということだ。

なお参考までに、お酒ごとの1単位(純アルコール量20)を明記しておこう。

ビール    アルコール度数 5%  目安:中瓶1本   500ml
日本酒    アルコール度数15%  目安1合       180ml
焼酎     アルコール度数25%  目安:0.6合      110ml
ウイスキー  アルコール度数43%  目安:ダブル1杯   60ml
ワイン    アルコール度数14%  目安:グラス2杯   180ml
缶チューハイ アルコール度数5%   目安:ロング缶1本   500ml
ストロング缶 アルコール度数9%   目安:ショート缶1本弱  280ml

たとえば飲み会で、100グラムを飲んでしまったとしよう。そんなときでも、残りの6日間を1単位(20グラム)ずつに抑えれば許容範囲に収まるということ。計算が前提になっているので、理解した上で応用することも、決して難しくはなさそうだ。

では、「1週間単位の管理」のメリットとはなんだろうか? それは言うまでもなく、休肝日が必要ないということだ。大切なのは1週間の純アルコール量なのだから、しっかり管理できてさえいればOK。

だからこそ、「毎日、少しずつでも飲みたい」という方には最適なのである。

逆に「飲まない日が苦にならない」という人にとっては、休肝日を取れば1日に飲む量を増やせるというメリットが生じることにもなる。

たとえば1週間のうちに3日の休肝日が取れるのであれば、残り4日は40グラムずつ飲んでも理想値に近くなる。

つまりは自分に都合のいい管理法で、週に140~280グラムを守るように工夫してみればいいのだ。純アルコール量のコントロールを楽しみにしてしまえれば、つらいと感じることもなくなっていくのだろう。

なお最近は、アルコール量を管理するアプリもあるそうなので、それらを利用してみるのもいいかもしれない。

『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』

栗原 毅 著
フォレスト2545新書
定価:900円+税
発売日:2020年7月

文/印南敦史 作家、書評家、編集者。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年東京生まれ。音楽雑誌の編集長を経て独立。複数のウェブ媒体で書評欄を担当。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)などがある。新刊は『書評の仕事』 (ワニブックスPLUS新書)。2020年6月、「日本一ネット」から「書籍執筆数日本一」と認定される。

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