【私のお気に入り~第111回】

東京・四谷『北島亭』の正統派フランス料理

 

北島亭のドゥミ・ドゥイユ。

『北島亭』のオーナーシェフ北島さんが作る「大山鳥のドゥミ・ドゥイユ。

昨今、調理法や盛りつけ方などの斬新さを売りにする「最新のフランス料理」を打ち出すレストランが増え、その話題性から予約が簡単には取れないほどの賑わいを見せています。そうしたお店はメディアに取り上げられる頻度が高く、その情報に煽られて出かける人も多いのではないでしょうか。

でも、昔ながらのフランス料理があってこそコンテンポラリーな料理があるので、フランス料理ファンであれば、正統なフランス料理とはいかなるものかをぜひ知っておきたいものです。

東京・四谷に店を構えて約四半世紀の『北島亭』は、オーナーシェフの北島素幸さんの作り出す、いわば古典をベースにしたフランス料理を供するレストラン。古典といっても決して古くはなく、現代人の味覚に沿って洗練を極めた料理に仕上げられています。

先日、『北島亭』でいただいた「大山鶏(だいせんどり)のドゥミドゥイユ」は、鶏の皮と身の間にスライスしたトリュフを挟み込み、香味野菜と一緒にまるごと1羽調理するというクラシックなフランス料理。料理本では見たものの、実際にそれを召し上がったことがある方は少ないのではないでしょうか。

まず、大山鶏がとてもジューシーで旨味が充分なところへもってきて、妖艶なトリュフが効果的に香り、そこへ野菜の美味しさが加わって、思わず舌鼓を打つ美味しさ。クリームソースは鶏の出汁が利いて、軽く爽やかな味わいです。「クラシックは美しい!」と改めて感じさせてくれるひと皿でした。

北島亭1

鮭の薄切りオゼイユソース。

「鮭の薄切りオゼイユソース」(オゼイユ=酸い葉)も、酸味を湛えたソースが香り高く、フランスの古典的な魚料理の美味しさを再認識したほどでした。

北島亭2

牛もも肉の最上部位「イチボ」をじっくりと焼き上げた一品。

また、『北島亭』は肉料理でも評判が高く、もも肉の最上部位「イチボ」をじっくりと焼き上げたひと皿は、肉料理の醍醐味を満喫できること請け合いです。

『北島亭』は三田の『コートドール』と並ぶ、私のお気に入りのフランス料理店の双璧といっても過言ではありません。

 

【北島亭】
住所/東京都新宿区三栄町7  JHCビル1F
電話/03-3355-6667
営業時間/11:30~14:30(L.O.13:30)、18:00~22:00(L.O.19:30)
定休日/水曜日、第1火曜日、第3火曜日

 

 

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