【ひと皿の歳時記~第122回】

浅草『龍圓』の「トリュフ入り春巻き」

龍圓;トリュフの春巻き2.28

トリュフの春巻き。

 

中華料理でトリュフ? と首をかしげる方もいらっしゃるかと思いますが、じつは、もう何年も前から中国雲南産のトリュフが日本に輸入されて出まわっています。フランス産のトリュフとは香り高さに違いがあるのですが、格安で、使い方によってはトリュフの風味を効果的に楽しむことができます。

東京・浅草に店を構える中国料理店『龍圓』の栖原シェフは常に新しい食材に興味を示し、チャレンジ精神旺盛な料理人です。コース料理のスタートに「ピータン豆腐」が必ず出るのですが、その豆腐は特殊な調理器具エスプーマを使ってムース状にするという斬新な料理に仕上がっており、今や『龍圓』に欠かせない一品になっています。

数年前、栖原シェフに中国産のトリュフを使った料理を提案したところ、いろいろなメニューを考えてくださいました。中国料理に中国産の食材を使うのですから、理に適っているわけです。トリュフの春巻きに始まり、トリュフ入りの芙蓉蟹、トリュフの炒飯などなど、トリュフの香りを活かした様々な中華料理が誕生しました。

トリュフの炒飯。

トリュフの炒飯。

トリュフといっても、白トリュフと黒トリュフがあり、それぞれに合った使い方があります。白トリュフは加熱された料理の上にスライサーで薄く削ってのせると効果を発揮しますが、黒トリュフは熱を加えたほうが一段と香り高さが増します。トリュフはフォアグラと抜群の相性を見せることからもわかる通り、油脂とよく合い、卵、粉もの、さらに、同じ土の中の食材として葱、じゃがいも、ゆり根などとも非常に相性がいいことが知られています。

先日味わったトリュフの春巻きの中身は、いつもの千寿葱と違ってキャベツでした。キャベツの甘みに黒トリュフの香りが加わり、加熱された春巻きの皮に包まれて、陶然となるような味わいでした。聞けば、今回はフランスのトリュフを使ったとのこと。
「中国産のトリュフと比べると高価ですが、香りが断然いい。料理人としてより優れた味を求めると、そういうことになってしまいました」と栖原シェフ。この春巻きは、日本人の料理人が中国とフランスを巧みに結びつけた傑作の一皿です。

店舗情報、

店名 龍圓
住所 東京都台東区西浅草3-1-9
TEL 03-3844-2581
営業時間 [火~土]12:00~14:30(L.O.14:00)/17:30~21:30(L.O21:00)
 [日・祝]12:00~14:00(L.O.14:00)/17:00~21:00(L.O20:30)
 ※コース予約(2名以上)のみ。
定休日 毎週月曜日。祝日の場合、翌火曜日。1月中旬  毎月第一月曜、火曜。
URL http://www.ryuen1993.com/

 

 

 

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