アップの写真をご覧いただきたい。なるほど普通のザルとは、編み方が違う。周辺は目が詰まって粉が落ちないようになっていて、中央の一部だけに、小さな隙間があいている。まさに、ふるいなのだが、おもしろいのは、全面に小さな穴があいているのではなく、穴のあいている部分と、目のつまっている部分とが、複雑に入り交じっている点だ。どうも耐久性を向上させるために、このような構造にしてあるらしい。穴があいた部分が全面に広がっているだけだと、壊れやすいということなのだろう。

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先人たちが工夫を重ねて生み出し、受け継がれてきた知恵だ。このザルがあるからこそ、イ族はダッタン蕎麦を使って、おいしい蕎麦料理を作ることができるのである。

納得して、感謝して、僕は彼女の好意に、何度もお礼を申し上げた。

日本の蕎麦打ち名人たちも、原料のソバのことであったり、または製粉の方法、ふるいの使い方や、蕎麦の打ち方などに、いくつもの秘伝を持っている。

秘伝は、蕎麦に個性を与え、おいしい蕎麦を生み出す噴火口だ。

もっともっと、おいしい蕎麦を食べたい。だから「すべての蕎麦屋さんは秘伝を持っていただきたい」と、ここでお願いしたいと思う。

 

蕎麦好きなら必見のコラム「蕎麦を待つ間に」もあわせてご覧ください。

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