アップの写真をご覧いただきたい。なるほど普通のザルとは、編み方が違う。周辺は目が詰まって粉が落ちないようになっていて、中央の一部だけに、小さな隙間があいている。まさに、ふるいなのだが、おもしろいのは、全面に小さな穴があいているのではなく、穴のあいている部分と、目のつまっている部分とが、複雑に入り交じっている点だ。どうも耐久性を向上させるために、このような構造にしてあるらしい。穴があいた部分が全面に広がっているだけだと、壊れやすいということなのだろう。

zaru_02

先人たちが工夫を重ねて生み出し、受け継がれてきた知恵だ。このザルがあるからこそ、イ族はダッタン蕎麦を使って、おいしい蕎麦料理を作ることができるのである。

納得して、感謝して、僕は彼女の好意に、何度もお礼を申し上げた。

日本の蕎麦打ち名人たちも、原料のソバのことであったり、または製粉の方法、ふるいの使い方や、蕎麦の打ち方などに、いくつもの秘伝を持っている。

秘伝は、蕎麦に個性を与え、おいしい蕎麦を生み出す噴火口だ。

もっともっと、おいしい蕎麦を食べたい。だから「すべての蕎麦屋さんは秘伝を持っていただきたい」と、ここでお願いしたいと思う。

 

蕎麦好きなら必見のコラム「蕎麦を待つ間に」もあわせてご覧ください。

1 2 3

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2024年
5月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店