■6本目:『米宗 山廃仕込み純米』(愛知県・青木酒造)
――深みと奥行きのあるふくよかな旨口
早くから山廃仕込みに着目し、しっかりした酒質と旨みをめざして取り組む。木曽川の伏流水で醸した純米酒は、酵母無添加で完全発酵を行ない、酸味が効いた濃醇な味が口中に広がる。
【米宗 山廃仕込み純米】
青木酒造(愛知県愛西市本部田町本西60)
電話:0567・31・0778
http://www.yamahai.co.jp/
■7本目:『白隠正宗 純米吟醸』(静岡県・高嶋酒造)
――海の幸に合わせたい真なる辛口
辛口を軸に、地の食文化に合う酒造りを行なっている。冷やして飲むと穏やかな味の中に、キレがよく杯が進む。
ぬるめの燗かんにするとフレッシュな酸を感じるようになる。
【白隠正宗 純米吟醸】
高嶋酒造(静岡県沼津市原354-1)
電話:055・966・0018
http://www.hakuinmasamune.com/
■8本目:『若駒 五百万石80 無加圧採り』(栃木県・若駒酒造)
――米の旨みを引き出した、発泡感のある旨酒
蔵元杜氏の柏瀬幸裕さんは、奈良県の気鋭蔵油長酒造で酒造りを学ぶ。酒造好適米の五百万石を20%しか磨かないことで、米の旨みを引き出した。搾りに圧をかけず、瓶詰め。薄い澱(おり)がからみ、ふくよかな旨みと美しい酸、はじける発泡感を持つ美酒だ。
【若駒 五百万石80 無加圧採り】
若駒酒造(栃木県小山市小薬169-1)
電話:0285・37・0429
■9本目:『若波 純米酒』(福岡県・若波酒造)
――若き蔵人が醸し出す余韻ある旨み
蔵のそばを流れる筑後川のように若い波を起こせと、名付けられた蔵元。爽やかな香りと穏やかな甘さがあり、後キレよい。有明海の海産物や、鯖などと好相性。
【若波 純米酒】
若波酒造(福岡県大川市鐘ヶ江752)
電話:0944・88・1225
http://wakanami.jimdo.com/
■10本目:『亀甲花菱 無濾過中取り 生原酒』(埼玉県・清水酒造)
――芳醇な旨みが引き出された美酒
埼玉県北部、広大な田園に囲まれる蔵で蔵元杜氏が家族単位で丁寧に醸す酒だ。少し発泡を伴った飲み口で、厚みと端正な甘みがあり、キレがよく、米の持つ力を感じさせる。濃い味付けの料理にも合う芳醇ながら綺麗な酒質。
【亀甲花菱 無濾過中取り 生原酒】
清水酒造(埼玉県加須市戸室1006)
電話:0480・73・1311
※この記事は『サライ』本誌2017年1月号より転載しました。(取材・文/関屋淳子、佐川知子 撮影/五十嵐美弥)