【私のお気に入り~第81回】
ティエリー・ヴォワザンシェフ
東京・日比谷にある帝国ホテルのフランス料理店『レ セゾン』の料理長です。
シェフに就いて10年以上、それまではフランスはシャンパーニュ地方ランスにあるシャトーレストラン『ボワイエ レ・クレイエール』のシェフでした。親日家にして日本の食材に対して研究熱心、次々と日本の食材を駆使して名品を生み出しています。
この夏は「枝豆」「鱧」をエスプリ豊かなフランス料理に仕上げた2品を発表しました。
ひとつは「枝豆」でパスタのニョッキを作り、そこへ枝豆とオーストラリア産の黒トリュフを散らしてあります。「枝豆」はフランスにはないそうで、トリュフもフランス産ではなく、いま冬真っ最中の旬のオーストラリア産黒トリュフを大胆に使っています。甘い枝豆に妖艶な香りのトリュフがまとわりつきます。
もうひとつは、「鱧」とフランス産の茸ジロルを合わせたひと皿。鱧の骨切りは自らしたそうで、2ミリずつに切り揃えてあります。これに歯触りのよいジロルがからむと、得も言われぬ美味しさです。
日本では「鱧」と「松茸」の組み合わせが古典ですが、その組み合わせの妙を思い出しました。季節を変えて訪れたくなる、私の大のお気に入りの料理人です。
■帝国ホテル東京『レ セゾン』
http://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/les_saisons/index.html