手打ち蕎麦の愛好者が増えている。
日本の蕎麦打ち人口は、60万人とも、70万人とも言われている。「蕎麦を打ってみたい」と思っている予備軍も含めると、さらにその数は多くなるに違いない。
蕎麦の世界は、いまや、ひとつの「趣味」として成立するだけの奥深さ、幅広さを備えるに至った。蕎麦打ちを始めて、同好会などに参加すると、友人の輪も思った以上に広がる。蕎麦趣味は、今より少しだけ日常生活に変化が欲しいと思っている方にとって、知見を広げる有益なツールとして機能することだろう。
私が蕎麦打ちを始めた動機は、さらに単純で、「近所に蕎麦屋がない。だけど、うまい蕎麦が食べたい」という気持ちからだった。自分で打った蕎麦は、不思議にうまい。あれは、なぜだろう。いまだにその理由がわからない。