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蕎麦は食べ方で味が変わる【片山虎之介の「蕎麦屋の歩き方」第17回】

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蕎麦は、時間の経過とともに、食味が変化していく食べ物だ。

一枚のもり蕎麦が運ばれてきて、最初に一口食べたときと、最後の一箸を口に運ぶときとでは、味、食感が大きく変わっている。
一枚の盛り蕎麦を食べ切るには、ふつう4〜5分はかかるだろう。最後の一箸にすくい上げられた蕎麦は、5分が経過し、ほぼのびた状態だと言っていい。特に生粉打ちの蕎麦、つまり十割蕎麦の場合は、さらにのびのびの状態になっていることだろう。

だから大盛りを頼んで、その最後の一箸となると、これはかなり寂しい状態になってしまう。
大盛り程度の量を食べるときには、なるべくなら小盛りの蕎麦を、時間差で二回に分けて供していただくのが理想的だ。
蕎麦屋さんにしてみれば手間のかかる話だが、実際に、それを実行している店もある。

一例を挙げれば、東京浅草の『並木藪蕎麦』だ。同店には「大盛り」というメニューはない。一枚で足りない人は、蕎麦を二枚注文する。すると、前述したような具合で、一枚目を食べ終わるタイミングで、二枚目の蕎麦が運ばれてくるのだ。

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