
創意あふれる中華に定評ある栖原一之さんに、身近な具材でとびきりおいしいチャーハンを教わる。チャーハンには、強い火力と中華鍋が必須と思うがさにあらず。
「カセットコンロ程度の火力で大丈夫です。道具もフライパンで充分。ただし深さは10cm以上、内径はそれほど大きくないものを選びましょう。つくる分量は1人前が鉄則。いっぺんに複数人数分の材料を入れては、まんべんなく炒めることができません。空間に余裕を持たせ、ごはんと具をちょうどよいバランスに炒め合わせます」
具材は肉そぼろとたまご、長ネギのみ。1人前のチャーハンに必要な肉そぼろは40gだが、つくりやすい分量をまとめて仕込む。
たまごは1人前に2個使う。たまごに火が入り切らぬうちにごはんを加えるのが要諦だ。
「ごはんは、たまごをかぶせるようにし、やさしくほぐし炒めます。国産米は熱すると粘りがでてダマになりやすいため、手早くほぐし、ごはんとたまごがまんべんなく合わさるように。こまめにほぐすことが肝要ですが、それなりに根気がいります。手軽さを求めるなら、粘り気の少ないジャスミン米(※タイ米の一種で、質と香りに優れている。)を試すとよいでしょう」
3つの掟
1.分量は1人前を厳守。
2.フライパンは深さのあるもので。
3.具はたまご・肉そぼろ・長ネギで。
深さがあり、大きすぎないフライパンを使う

【材料(1人分)】
温かいごはん………………100g
たまご…………………………2個
肉そぼろ(※)……………40g
長ネギ(粗みじん切り)…大さじ2
油(あれば米油)…………大さじ2
塩………………………………適量
※肉そぼろ(つくりやすい分量)
豚ひき肉(赤身)…………200g
醬油……………………大さじ2
砂糖……………………20g
油(あれば米油)…………大さじ2
1.ひき肉を炒める
フライパンを強火にかけ、鍋肌に油を馴染ませたら、ひき肉を入れほぐしながら炒める。色が変わってきたら調味料を加え、パラパラになるように炒める。



肉そぼろはバットにあける。保存する場合は、冷めてから密閉できる容器に入れ冷蔵庫で保存する(4〜5日ほどで使い切る)。フライパンに残る汚れはキッチンペーパーなどで拭き取る。
2.卵液とごはんを炒める
フライパンを強火にかけ、鍋肌に油を馴染ませたら、溶いたたまご(卵液)を入れ、フライパンの底面に広げる。




10秒ほどしたら強火のまま、温かいごはんを加え、たまごで包む。すぐにおたまでたまごを押さえ、ほぐしながら、たまごとごはんを混ぜ合わせながら炒める。
3.肉そぼろを加え、炒め合わせる
強火のまま、1.の肉そぼろを加え、炒め合わせる。

4.長ネギを加え、さっと炒め、塩をふり混ぜ合わせる

指導 栖原一之(すはらかずゆき)さん(『龍圓』オーナーシェフ・60歳)

●龍圓/東京都台東区西浅草3-1-9 電話:090・8720・2581
取材・文/山﨑真由子 撮影/齋藤 明
※この記事は『サライ』本誌2025年3月号より転載しました。

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