黒潮の恵み、外房の新鮮なサザエを楽しむ
太平洋の紺碧の海と白い砂浜が続く千倉海岸。この南房総の海とヘミングウェイの名作『老人と海』のイメージを重ね合わせた店を開きたいと、込山敏郎さん(67歳)が30年前に開店したのが『サンドカフェ』である。開店当初、看板メニューとして考案したのが「サザエカレー」だ。千倉近海は黒潮と親潮がぶつかることからサザエの餌となる海藻が豊富。特に8月のサザエの身は肉付きが良く、肝も濃厚な風味である。
「昔は高価な肉の代わりにサザエをカレーの具材にしていました。観光客の方には珍しいカレーですが、地元民には馴染みがある料理なのです」(込山さん)
野菜や果実、甲殻類で取った出汁のルーに、塩茹でしたサザエの肝を裏ごしし加え独特のコクを出す。しっかりしたサザエの歯ごたえとほのかな磯の香りが後を引く。
サンドカフェ
千葉県南房総市千倉町瀬戸2908-1
電話:0470・44・5255
営業時間:10時30分~17時(最終注文16時30分)
定休日:月曜、火曜 30席。
交通:JR内房線千倉駅より徒歩約15分
撮影/竹崎恵子
※この記事は『サライ』本誌2024年8月号より転載しました。