内臓脂肪や中性脂肪、コレステロールが気になる人は多いでしょう。医師の五藤良将先生はこれらの原因となる「あぶら」を「悪魔のあぶら」と呼び、放置をしていると、ある日突然、「脳梗塞」「心筋梗塞」などといったかたちで襲いかかってくる可能性があると言います。
五藤先生の最新著書『血液と体の「あぶら」を落とすスープ』(アスコム)では、そんな体の中の「死の時限爆弾」を取り除くスープを紹介しています。スーパーに売っている食材だけで簡単に作れ、作り置きできるおいしいスープを1日1杯、2週間続けることで内臓脂肪・中性脂肪・悪玉コレステロールがみるみる落ちていきます。第2回は、スープを続けることで得られる効果とアレンジレシピを紹介します。
文/五藤良将
1日1杯のスープで、数値が改善!
「あぶら」を落とすスープで悪魔のあぶらを退治&時限爆弾を解除すると、こんな風に体が変わってきます。まずは、1日1杯、2週間続けてみましょう。
●血糖値が改善
スープには、血糖値の上昇を抑える働きの栄養素がたっぷり含まれています。食前にスープを飲むと血糖値の上昇がおだやかになり、血糖値が改善されます。それにともない、中性脂肪がたまりづらくなります。
●腸内環境が整う
りんご酢に含まれる酢酸やりんごポリフェノールには、善玉菌の増殖を助ける環境を作り、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。また、玉ねぎに含まれる食物繊維とオリゴ糖は善玉菌のエサになります。
●疲れにくくなる
りんご酢に含まれクエン酸には疲労物質を体内で分解して新陳代謝を促進する働きがあり、スープを飲み続けることで疲れにくい体になれます。また、血流がよくなることで疲労物質がたまりづらくなります。
●善玉コレステロールが増え、悪玉コレステロールが減る
スープには悪玉コレステロールを減らす、よいあぶらがたっぷり含まれています。悪玉コレステロールの減少とともに善玉コレステロールが増加します。悪玉と善玉のバランスが整うと、悪魔のあぶらがたまりにくくなります。
●ドロドロ血液がサラサラに!
悪魔のあぶらでドロドロになった血液をサラサラにしてくれる野菜の代表格である玉ねぎをふんだんに使用しています。また、りんご酢に含まれる酢酸には血管を拡張する効果があり、血流が改善するといわれています。
●体のコゲ&サビが取れる
血糖値の上昇をおだやかにして“体のコゲ”といわれる「糖化」を防ぎます。また、スープに含まれる数種のポリフェノールが、“体のサビ”といわれる「酸化」を防ぎ、悪魔のあぶらを凶悪化する活性酸素を除去します。
●肩こり・冷えが改善
スープの血液サラサラ効果により、血流がよくなります。すると、筋肉の中に疲労物質がたまりづらくなり、肩こりが改善します。また、体の末端の血の巡りがよくなることで、冷えを感じることが少なくなります。
●中性脂肪値が改善
スープを飲むと代謝が上がり、食事でとったエネルギーをどんどん使えるようになります。代謝がよくなれば、血液中のあぶらもどんどん消費できるようになるため、中性脂肪が減るだけではなく、溜まりづらくなります。
アレンジレシピ
「あぶら」を落とすスープは、さまざまな料理にアレンジできます。飽きずに無理なく続けられるうえ、美味しいものを食べる幸福感と健康になれる喜びが味わえるはずです。
※基本のスープの作り方はこちらから
冷や汁風
さば缶を使ったひんやりスープ。冷や汁は消化がよいため、胃腸が弱っていたり、食欲が落ちているときでもさらっと食べられます。さば缶なら、不足しがちなたんぱく質もビタミンも、しっかりとれます。
【材料(2人分)/188Kcal(1人分)】
・きゅうり……1本
・みょうが……2本
・大葉……4枚
・「あぶら」を落とすスープの素……1個
[A]
・みそ……小さじ2
・黒すりごま……大さじ2
・さば水煮缶の汁……大さじ1
・水……1と1/2カップ
・さばの水煮缶……100g
【作り方】
1.きゅうりとみょうがは小口切り、大葉は粗みじんに刻む。
2.ボウルに電子レンジで解凍(600W約30秒、500W約40秒)した「あぶら」を落とすスープの素とAを入れて混ぜ合わせ、水を少しずつ入れながらなじませて1とさばの水煮を入れる。
※すぐに食べても美味しいが、30分ほど冷蔵庫でなじませてから食べるとより美味。もち麦ごはんや玄米ごはんな
どを入れて食物繊維、ビタミン類をプラスして食べるのもおすすめ。
包丁いらずのめかぶ納豆スープ
「あぶら」を落とすスープの素を溶かしたスープに、めかぶとひきわり納豆を入れて、サッと温めるだけ。善玉菌のエサとなる食物繊維がたっぷりのめかぶと、善玉菌である納豆菌が腸内環境を整えてくれます。
【材料(2人分)/103Kcal(1人分)】
・めかぶ……小1パック(40g)
・ひきわり納豆……1パック
・水……1と1/2カップ
・「あぶら」を落とすスープの素……2個
・おろししょうが……小さじ1/2
【作り方】
1.鍋に水を入れて煮立たせ、「あぶら」を落とすスープの素とめかぶ、ひきわり納豆を入れて全体が溶けたら完成。
2.器に盛りつけておろししょうがを添える。
* * *
血液と体の「あぶら」を落とすスープ
著/五藤良将
アスコム 1,540円
五藤良将(ごとう・よしまさ)
医療法人社団五良会理事長、竹内内科小児科医院院長。
お医者さんに憧れていたが親戚には医師がおらず、決して裕福な家庭ではなかったが死に物狂いで勉強して防衛医科大学校に入学。防衛医科大学校首席卒業後、自衛隊関係病院、千葉県を中心とした病院勤務を経て、2019年9月から東京都田園調布の竹内内科小児科医院を継承し、院長に。2021年10月から医療法人社団五良会の理事長となる。五良会クリニック白金高輪、五良ファミリークリニックセンター南と分院も展開している。テレビ出演多数。Yahoo!ニュース、東洋経済オンライン、各雑誌などで医療監修も多数。内科認定医、日本抗加齢医学会専門医、美容内科学会評議員、日本温泉気候物理医学会療法医、日本旅行医学会認定医、複数の学校校医、難病指定医など幅広く診療を行っている。「医者としてのモットーは患者さんに寄り添うこと。融通がきき、患者さんが近づきやすい医者であること」で、「赤ひげ先生」に憧れて日々診療を行っている。