正統派バーの静謐な空間に高級オーディオの音が満ちる
三郎丸蒸留所(https://serai.jp/gourmet/1175350)を見学したら、地元のバーを訪ねてみたい。高坂正男さんがオーナーを務める『食楽酒場 カスク』は開業して18年目、正統派バーのスタイルを貫く。
店に入ると、カウンターとソファで15席ほどのゆったりした空間にジャズの音楽が満ちている。音楽は、一角に設置されたオーナー自慢のオーディオから流れている。海外製の高級機を中心にグレードアップを繰り返し、心地よい空間作りに一役買っている。
高坂さんはこう語る。
「五感のうち視覚、触覚、味覚、嗅覚は、お酒や料理で感じられます。残りの聴覚をいい音で提供したいという思いがあり、オーディオ機器にこだわっています」
店内のどこにいても心地よい音楽が響き、会話の邪魔をしない。つい時間を忘れ長居をしてしまう。
「開店当初は日本のウイスキーが不人気な時代で苦労しました。近年はハイボール人気もあり、そこからウイスキーの魅力に気づく方も増えてきました」(高坂さん)
地方都市にあってもウイスキー文化を絶やさない。こんな店が地元の蒸留所を支えている。
食楽酒場 カスク
富山県砺波市中央町10-47-78ビル2階
電話:0763・32・7615
営業時間:18時〜24時
定休日:日曜
交通:JR城端線砺波駅より徒歩約5分 15席
取材・文/宇野正樹 撮影/藤田修平
※この記事は『サライ』本誌2024年3月号より転載しました。