もはや「ご飯のおかず」という考え方だけで食してはいけない。新たな可能性を探り続け、歴史に名を残すかもしれない店とは。

バーテンダーの経験を生かした酒に合う“軽やかな”料理の数々

épais 北新地エペ(大阪)

「夜のコース」3300円(1人前・予約は2名~)の一品。手前は脂身がなく柔らかい三元豚のヒレかつ。奥は前菜の「茶美豚ローストポーク」。ワインはカリフォルニアが主でグラス720円~、ボトル5000円~。
「夜のコース」では、ヒレかこの「茶美豚ロースかつ」を選べる。すだちをしぼって16種類の多彩な塩とともに。

もとは大阪・北新地でバーを経営していたという水谷麻里さん。店で出していたかつサンドが評判になり、とんかつ専門店を志して平成26年に開業したのが『北新地エペ』だ。バーテンダーとしてもカクテルコンペで受賞するほどの腕前で、創業者とともに、酒に合う料理を追求した結果が今の店に。

「バー時代の経験もあって、お茶カテキンの入った飼料で育つ茶美豚(ちゃーみーとん)や脂身の少ない三元豚など軽やかなものを使うことにしました」

TOKYO X(とうきょうエックス)や山形豚など肉質や旨味の違う銘柄豚も選べる。

焦げ色がつきにくい低糖質のパン粉を付け、低温のラードで時間をかけて火を入れると肉汁が閉じ込められる。中まで火は入っているのに旨味も肉汁もたっぷりだ。

食べ応えのあるロースやヒレを単品で注文するのもいいが、前菜、かつ前、カレーなどが付く11品の「夜のコース」なら酒を合わせながら、他の料理も一緒に楽しめる。

しっとりしたローストポークも本格派のかつカレーも、また食べたくなる個性的な料理である。

「夜のコース」のひとくちかつカレーとご飯(岡山産きぬむすめ)。ロースかつの旨味がカレーに染み出し濃厚な美味しさ。

店長の水谷麻里さん(右)とサービス担当の宮本和子さん。女性ならではの、きめ細かな調理やもてなしを心掛けているという。

大阪市北区曽根崎新地1-9-3 ニュー華ビル3階
電話:06・6347・6599
営業時間:11時~15時30分(11時~、12時30分~、14時~の3部制)、18時~20時(19時30分最終注文)
定休日:日曜、祝日
交通:JR北新地駅より徒歩約8分

※この記事は『サライ』2022年5月号より転載しました。

 

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