もはや「ご飯のおかず」という考え方だけで食してはいけない。新たな可能性を探り続け、歴史に名を残すかもしれない店とは。
素材と技と空間を楽しむ大人に向けた贅沢な趣向
紀尾井町 とんかつ・洋食ひとみ(東京)
数々のとんかつ有名店を起ち上げてきた日向准一さん(61歳)が、集大成として昨年オープンさせたのが『紀尾井町 とんかつ・洋食ひとみ』だ。とんかつと洋食を2本柱とし、高級感溢れる空間で食事を楽しむことができる。
贅を凝らした店で味わえるのは茨城県岩瀬牧場の長右衛門豚。これは梅山豚などを掛け合わせた四元豚で、出荷頭数は1週間に3頭から4頭という希少種。そのうち3頭を毎週のように購入し続けている。「この豚肉は香りがしっかりあり、味も濃いのが魅力」と日向さん。ランプやシキンボ(もも肉)などの希少部位も仕入れており、ほぼ一頭買いに近いという。
揚げ方は「とんかつらしい色にするため、普通の温度で一気に揚げています」と日向さんはいう。
こんがり揚がったとんかつの旨味をさらに引き立てるのが5つの調味料だ。肉の力強さに合わせた自家製のニンニク塩や芳醇なトリュフバターなどで多彩な風味が楽しめる。西洋料理のような味わいは女性客の心も掴んでいるという。
東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町3階
電話:03・6272・6685
営業時間:11時30分〜15時(14時30分最終注文)、17時〜22時(21時最終注文)
定休日:水曜
交通:地下鉄有楽町線、半蔵門線、南北線永田町駅より徒歩約3分
※この記事は『サライ』2022年5月号より転載しました。