一口にチーズケーキといえども製法や味わいは多彩だ。巷で評判の、歴史を重ねた名店や新進気鋭の店が作る逸品を堪能したい。
北上産の牛乳で作った自家製クリームチーズを使用
トロイカ(岩手)|ベークドチーズケーキ
『トロイカ』は、昭和48年に岩手県北上市出身の髙橋正さん(72歳)が故郷で始めたロシア料理店。店名はロシア語で“3頭立ての馬橇(ばそり)”を意味する。開業当時、県内にロシア料理のレストランは珍しく、集客のために話題を提供しようとケーキの製作を開始。昭和52年から販売を始めたのが、「ベークドチーズケーキ」だ。以来45年、改良を加えながら、同店の看板商品となっている。
原料となる牛乳は、酪農が盛んな地元・北上産を使用。店舗に隣接して立つ工房で作られたクリームチーズと、卵、砂糖のみを使い、店内の窯で丹念に焼き上げている。
香料を使用していないためチーズ本来の香りが楽しめるほか、牛乳由来の濃厚なコクも存分に味わえる。また、外側のクッキー生地はとろけるほどに柔らかく、口どけのよいチーズとの相性も絶妙だ。
地元の食材を愛し、北上ならではの料理を提供し続けてきたという髙橋さん。その矜持はチーズケーキでも表現されている。
●トロイカ
岩手県北上市上江釣子16-53-1
電話: 0197・62・4365
営業時間:10時~18時(食事は11時~15時)
定休日:水曜(祝日の場合は翌日)
交通:JR江釣子駅から徒歩約7分、JR北上駅からタクシー約15分 30席。カード可。
※この記事は『サライ』本誌2022年4月号より転載しました。