桜と酒を愉しむ京懐石
左京ひがしやま(東京都中央区銀座)
東京・銀座で京料理を出す『左京ひがしやま』の店主・岡野泰典さんは、闊達で豪放な人柄。それでいて手がける料理には繊細な美意識がこもる。
「数年前、友人と千鳥ヶ淵で花見をしました。花見といっても葉桜になりかけている頃で、頭上に花がないので、塩抜きした桜の花の塩漬けを酒に浮かべて飲みましたが、乙なものでしたよ」
そんな酒の愉しみ方を知っている岡野さんが今回、本誌のために手がけた花見弁当が「春爛漫」だ。
鯛に菜の花、山菜。そして店の顔でもある土間にでんと据えたおくどさんに土鍋をかけて炊いた筍とちりめん山椒の炊き込みご飯。その名の通り、咲き誇る花々の競演のように、見た目も美しく、贅を尽くした料理約20品が惜しげもなく詰め込まれている。桜を愛で、一献、料理を楽しみ、また一献。正統な花見の愉しみ方を教えてくれる、そんな弁当だ。
●左京ひがしやま
東京都中央区銀座3-7-2 オーク銀座地下1階
電話:03・3535・3577
営業時間:17時30分~23時(最終入店21時、最終注文21時)
定休日:日曜、祝日 20席。要予約。
交通:地下鉄銀座駅より徒歩約1分。千鳥ヶ淵までは徒歩約35分(皇居の日比谷濠までは徒歩約12分)。
「春爛漫」1組1万2960円は3日前までに要予約(受け取り時間は13時~)。1日10食限定。期3月15日~4月15
日 店頭受け渡し。
※この記事は『サライ』2022年4月号より転載しました。