写真・文/矢崎海里

新酒が出回る季節、一緒に楽しみたいのが酒粕。うま味成分が豊富で、そのまま炙るだけでも素敵なおつまみになります。

今回は家庭で作る粕床をご紹介します。酒粕と味噌などを混ぜて作る粕床は、魚や肉だけでなく、野菜などを漬けてもよし。また、食材の保存期間が延びるだけでなく、粕床も繰り返し使用できるので、さまざまな食材で長く楽しめるのがおすすめポイントです。

粕床の作り方

【材料】(作りやすい分量)
酒粕 200g
味噌 大さじ2
塩 小さじ1
砂糖 大さじ1
酒 大さじ3程度
漬けたい材料(今回は生鮭、豚ロースを使用)
塩 適量
ガーゼ 適量

【作り方】
1.鮭・豚肉は両面に塩をふり、常温で10分置く。

2.ボウルに酒粕、味噌、塩、砂糖を加え手でしっかり混ぜ合わせる。
3.酒を少量ずつ加えながらかたさを調節する。耳たぶくらいの柔らかさが目安。
4.清潔な容器に3を敷き詰める。

5.ガーゼをかぶせ、その上に水気を拭き取った食材を置く。

6.さらにガーゼをかぶせ、上から粕床をのせる。ふたをして冷蔵庫で1〜2日漬ける。

2日間漬けた鮭がこちらです。
漬ける時間が長いほど酒粕の風味が強い粕漬けになります。

材料にあらかじめ塩をふっておくことで、余分な水分が抜け、味が染み込みやすくなります。
間にガーゼをかぶせるひと手間で、酒粕が直接材料に付くのを防ぎ、焼く際に酒粕を拭う手間が省けます。
ガーゼを使用せず直接漬けることもできますが、酒粕は大変焦げやすいのでしっかり拭ってから焼いて下さい。

あとは焼くだけでその日のご飯の主役になります。

漬けてある魚を買うと高価だったり、塩気が好みに合わなかったりしますが、自分で漬ければ好みの味に仕上げることができるのでおすすめです。

豚肉も柔らかくしっとりと仕上がります。

粕漬けにした豚肉。

粕漬けのメリット

1.保存性が高まる

肉や魚も、粕漬けにすることで保存性が高まり、生の状態より長期間保存できます。

粕漬けにしたものを冷凍することも可能です。その場合酒粕を拭い、1つずつラップに包んでチャック付き保存袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。

粕床は繰り返し使用できるものですが、清潔な容器を使用し、乾燥しないよう適切に管理することが大切です。

2.野菜、大豆製品にも

今回ご紹介した肉や魚はもちろん、野菜や豆腐などの大豆製品にも使用できます。

野菜はきゅうりや大根、人参などが定番ですが、水が出やすいので塩を振って水分を取ってから漬けるのがポイントです。また材料の水が出て、粕床がゆるくなった場合はガーゼを取り替える、酒粕や味噌を足すなどで調節してください。

漬けた後そのまま食べる野菜類と、加熱して食べる肉・魚類を同じ粕床で漬けるのは避けましょう。野菜用、肉・魚用と分けるか、最初に野菜類を漬けてから、肉・魚に使用するなど上手に活用してみてください。

* * *

酒粕はほかにも粕汁や甘酒など、幅広く利用できます。

保存が利くので、好みの蔵元の酒粕を見かけたらぜひ手に入れて粕床を作ってみてください。

文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。

 

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