宝暦10年(1760)、本所割下水付近(現在の墨田区亀沢)に生まれた葛飾北斎は、約90年の生涯で、幾度も転居しながらそのほとんどを墨田区内で過ごしました。葛飾の名字は生地の武蔵国葛飾郡からとったといわれます。

北斎ゆかりの地に開館された「すみだ北斎美術館」で、北斎の発想力の豊かさを見ることができる展覧会が開かれています。(9月26日まで)

葛飾北斎『諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし』
すみだ北斎美術館蔵 (後期展示)

本展の見どころをすみだ北斎美術館の主任学芸員、奥田敦子さんにうかがいました。

「本展は、当館が所蔵する二大名品『冨嶽三十六景』シリーズと、当館開館記念展で約100年ぶりの再発見として話題になった幻の絵巻『隅田川両岸景色図巻』を中心に、人気の高い北斎作品約100点を前期・後期に分け展観します。

葛飾北斎『冨嶽三十六景 山下白雨』変わり図
すみだ北斎美術館蔵 (前期展示)

とくに前期展示では『冨嶽三十六景 山下白雨』のバージョン違いを並べて展示、摺りの状態が異なるものや当館で初公開となる変わり図を比較してご覧いただけます。

また北斎の錦絵『桜に鷹』等の版木を使用した火鉢を通期で初公開するなど、見どころの多い展覧会です。

葛飾北斎『桜に鷹』
すみだ北斎美術館蔵 (前期展示)
葛飾北斎『桜に鷹』ほか四面版木火鉢 個人蔵
すみだ北斎美術館寄託 (通期展示)

北斎の名作の数々を通して、日本の四季の美しさ、江戸時代より観光スポットとして知られる隅田川周辺の名所を紹介しながら、北斎のたぐい稀な筆力と発想力をご堪能いただきます」

通常の北斎展とひと味ちがう展覧会です。ぜひ会場でお楽しみください。

葛飾北斎『隅田川両岸景色図巻』新吉原での遊興の様子
すみだ北斎美術館蔵 (後期展示)

【開催要項】
THE 北斎 —冨嶽三十六景と幻の絵巻— 
会期:前期7月20日(火)~8月22日(日)
   後期8月24日(火)~9月26日(日)
   ※前・後期で一部展示替えあり
会場:すみだ北斎美術館
住所:東京都墨田区亀沢2-7-2
電話:03・6658・8936
公式サイト:https://hokusai-museum.jp/modules/Exhibition/exhibitions/view/1863
開館時間:9時30分から17時30分まで(入館は17時まで)
休館日:月曜日(ただし8月9日、9月20日は開館)、8月10日(火)、9月21日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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