【にゃんこサライ 第10回】
体をペロペロ、爪研ぎ、変顔・・・。愛猫の何気ない行動は、「葛藤」「欲求不満」「情報収集」のサイン
空前の猫ブームといわれる昨今。でも、猫の生活や行動パターンについては、意外と知られていないことが多いようです。人間や犬の行動に当てはめて考えて、まったく違う解釈をしてしまっていることも少なくありません。昔から猫を飼っているから猫の性格や習性を熟知していると思っていても、じつは勘違いしていたということが結構あるようです。
そこで、動物行動学の専門医・入交眞巳先生(日本獣医師生命科学大学)にお話を伺いながら、猫との暮らしで目の当たりにする行動や習性について、専門的な研究に基づいた猫の真相を解明していきたいと思います。
■猫が爪とぎをするワケ
前回、取り上げた猫のマーキングについてもう少しお話しましょう。
よく、爪研ぎも匂いをつけるマーキングの一種だといわれていますが、じつはこれには一部疑問が残ります。猫は指の間の指間腺から汗のようなものと一緒にフェロモンを出すため、爪研ぎをすることによって自分のフェロモンを塗りつけているのだとする説があります。
しかし、爪研ぎをしても、研いだ木などに当たるのは爪だけで、指間腺を塗りつけることはできないだろうと解剖学の専門家にいわれ、なるほどと考えました。
ちなみに同じネコ科のトラなどの場合、木などでバリバリと爪研ぎをすることで、爪のお手入れをしつつ、木面につけられる引っ掻きキズの高さや幅の広さや大きさから、「自分はこんなに大きいんだぞ!」と誇示しているといわれています。キズの位置や幅などから体の大きさを伝えるという視覚的なマーキングです。猫の場合も、もしかしたらトラと同じように、そうした視覚的なマーキングをしている可能性もあります。
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