年々減ってきているとはいえ、まだまだたくさんの猫たちが「殺処分」という悲しい最期を迎えなければならない状況にいます。
保護されることも、家族に迎えられることもなければ、名前もなく、人知れずこの世からいなくなっていく小さな命たち。
「全ての猫に幸せを」のメッセージを送る『ありがとう!わさびちゃん』のツイッターアカウントでは、新たな家族に保護された「保護猫」の名前の由来を募集しました。今回は、応募頂いた保護猫たちのエピソードを紹介します。
■ガンバとちゃちゃ丸(3歳10ヵ月の兄弟、オス)
ある日、小学6年生の娘が、へその緒がついたままの状態で、小さな箱に入れられて捨てられていた4匹の子猫を拾ってきました。残念ながら、4兄弟のうち1匹はすでに息絶えていて、もう1匹もうちに来て数時間で亡くなってしまいました。
生き残った2匹のうち、比較的元気だった子猫は茶色くてコロコロしていたため、「ちゃちゃ丸」と命名。
もう1匹は70gと4匹の中でも一番小さくて、ミルクも全然飲んでくれなかったため病院で診てもらいましたが、「これだけ小さいと何の治療もしようがない。とにかく暖めてこまめにミルクをあげるしかない。正直厳しいかも……」といわれました。
病院からの帰り道、車の中で涙が後から後から流れて止まりませんでした。先に死んでしまった2匹のようにはなって欲しくない、絶対死なせはしない、頑張って生きて欲しい。そう願って、この子の名前はガンバにしようと決めました。
私たち家族の願いが通じたのか、ガンバは命を取り留め、ミルクもたくさん飲んで大きく育ってくれました。今ではガンバ、ちゃちゃ丸とも立派に成長して、兄弟とても仲良しで過ごしています。
(ツイッターアカウント名:ゆうたろう@ru_kuy)
■ちょび(推定4歳、オス)
ちょびは3年ほど前に里親募集サイトで見かけて、我が家が募集条件に合っていたため、迎えることに決めました。
もともと野良猫だったちょびは、ボランティアの方に保護されました。性格が「ちょっとビビり」だったことから、略してちょびという名前をもらったそう。譲り受けるときに、「素敵な名前をつけてあげてください」といわれたのですが、息子もこの名前をとても気に入っていたので、そのまま正式にちょびという名前にしました。
名前の通りちょっとビビりのちょびは、我が家に来ても慣れるまでに2日ほどかかりました。その間、ご飯も水も受け入れず。でも、今ではすっかり我が家の子。息子とも本当の弟のように仲良しです。
(ツイッターアカウント名:Kanoko-Roronoa@Kanoko0910)
■レオ(2歳9か月、オス)とライ(1歳、オス)
レオは私の妹の家で保護され、我が家に迎えた猫です。我が家に来た時は5か月の子猫でしたが、子猫らしからぬ凛々しい顔をしていたので、ジャングル大帝のレオから取って命名しました。
その後、レオの弟を迎えたく保護猫カフェに行って出逢い、迎えたのがライです。保護猫カフェでは「のりお」と呼ばれていたので、英語で「乗る」を意味する「Ride(ライド)」と、とても細っこい子猫だったので強く育つようにと「雷神」の「雷(らい)」をひっかけて「ライ」と名付けました。
(ツイッターアカウント名:レオ・ライ@puusan_miki)
■シャン(5歳10か月、オス)
近所の野良母さんが子猫を出産。その子達の引越中に落としてしまったのか、置いていってしまったのかわかりませんが、我が家の玄関前でニャーニャー鳴いていたのを、猫好きの父が見かねて保護したのがシャンとの出会いです。今になってみると、野良母さんが我が家に託したのかもしれない……なんて思ってみたりします。
私はもともと猫アレルギーを持っていて、自分から猫を飼うことはほぼないと思っていました。でも、もし万が一、飼うようなことがあったら、猫が好きになったキッカケのミュージカル『CATS』の猫達から名前をもらおうと妄想していました。
茶トラのシャンを我が家で飼うと決まった時、すぐに『CATS』に出てくる茶トラの鉄道猫“スキンブルシャンクス”しかいない!と思い、呼びやすい部分を頂いて“シャン”と名付けました。
現在、私の猫アレルギーは症状は出ていますが猫の可愛さの方が勝っているため、見て見ぬふりをしてしまっています。猫の可愛さには勝てません…。
(ツイッターアカウント名:蝉屋 クレ@eimseimm06)
いかがでしたか? どの子もみんな、新しい家族のもとで幸せを掴んだ猫たちです。幸せ家族がもっともっと増えますように!
■わさびちゃんファミリー(わさびちゃんち)
カラスに襲われて瀕死の子猫「わさびちゃん」を救助した北海道在住の若い夫妻。ふたりの献身的な介護と深い愛情で次第に元気になっていったわさびちゃんの姿は、ネット界で話題に。その後、突然その短い生涯を終えた子猫わさびちゃんの感動の実話をつづった『ありがとう!わさびちゃん』(小学館刊)と、わさびちゃん亡き後、夫妻が保護した子猫の「一味ちゃん」の物語『わさびちゃんちの一味ちゃん』(小学館刊)は、日本中の愛猫家の心を震わせ、これまでにも多くの不幸な猫の保護活動に大きく貢献している。
文/平松温子
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