NHK大河ドラマ「真田丸」で戦国大名・真田氏が話題になり、関連史跡を巡る人たちも多いようです。所用で長野を訪れた際、あちらこちらで真田丸の文字や六文銭のマークをみかけました。
そこで、真田氏の家紋「六文銭」にちなんで名づけられたという今注目の観光列車、しなの鉄道「ろくもん」に乗ってきました。
長野県の軽井沢駅から長野駅まで結ぶ、しなの鉄道は、のどかなローカル線。その間を特別な食堂車で食事を楽しみながらのんびり、ゆっくり旅ができる観光列車が「ろくもん」です。2014年7月から運行が開始されました。
特筆すべきは、列車デザインを手がけたのが、日本初のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」をはじめ、JR九州の観光列車「ゆふいんの森」、肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」など、全国の観光列車を手がけてきた工業デザイナーの水戸岡鋭治さんであること。あの鄙びた感じのしなの鉄道を、水戸岡デザインの列車が走るというだけでも期待に胸がふくらみます。
軽井沢~長野は新幹線なら30分で行けるところを、料理を楽しみながら、約2時間20分あまりをかけて移動するという超スローで贅沢な旅です。
筆者は当日思いつきで急遽、乗車券のみの切符を購入したので、食事の付かない指定席プラン専用の1号車。長野駅ビル内で総菜とお酒を買い込んで乗り込みました。2号車と3号車が食事付きプランの車両。3号車は通路の両脇が障子で仕切られた個室仕様で、すべてがふたり掛けテーブル席。席数は計72席です。
車窓から長野の山々、千曲川流域の風景が楽しめます。豪華なコース料理が出される2号車、3号車の方々が羨ましいですが、こちらも負けずに酒を飲んでほろ酔いになる頃には、上田駅に到着。
途中の小諸、田中、上田、戸倉の各駅では10分前後の停車時間があるので、各停車駅で名産品を買ったり、甲冑姿のスタッフと記念撮影を楽しみました。小諸駅では隣接する「停車場ガーデン」を散策できました。
飲み食いしながら、停車する度にホームにおりて買い物や撮影、2時間20分の旅はあっという間でした。真田ゆかりの史跡を訪ねるなら、軽井沢~長野間往復の片道を「ろくもん」にして、片道を通常の列車を利用して史跡を巡るというのがいいでしょう。
■しなの鉄道「ろくもん」 列車概要
しなの鉄道軽井沢駅~JR信越本線長野駅間を3両編成で、原則、金曜・土曜・日曜・祝日を中心に1日3本運行。運行日数は年間約180日程度。食事付きプラン、乗車券指定プランともに要予約。運行日など詳細はサイトを参照してください。