写真・文/矢崎海里
「フルーツビネガー」をご存じですか?
その名の通り、フルーツの風味や味が付いた酢で、スーパーなどでもりんご酢やぶどう酢が販売されています。
水で希釈して飲むタイプも販売されていますが、実は家庭で簡単に作ることができます。
今回はフルーツビネガーの作り方と、それを活用した減塩レシピをご紹介します。
希釈して暑い夏のお供にするのはもちろん、料理にも活用して賢く減塩しましょう。
フルーツビネガーの作り方
レモンやオレンジ、キウイなど、いろいろな果物で作れるフルーツビネガー。
今回はルビーグレープフルーツで作りました。
【材料】(作りやすい分量)
ルビーグレープフルーツ 2個
氷砂糖(なければグラニュー糖や上白糖) 果汁・果肉重量の80%
酢 100cc
【作り方】
1.グレープフルーツは皮をむき、身を取り出す。
グレープフルーツは両端を果肉が少し出る程度に切り落とし、横に倒して半分に切ります。
写真のように果肉と皮のあいだに包丁を入れ、くるっと一回転させると、きれいに皮と身に分けられます。
残った白い部分を落としながら2cm角にカットする。
2.果汁と果肉の総量をはかり、氷砂糖の量を決める。今回は277gだったので、氷砂糖は220gとしました。
3.アルコールまたは煮沸殺菌した清潔な容器に、果肉・氷砂糖の順でつめていき、入れ終えたら果汁を注ぎます。
4.酢を100cc注ぎふたを閉め、直射日光の当たらない涼しい場所に、常温で保存します。
5.氷砂糖が溶けたら果肉だけを取り出し、完成。常温で2か月ほどが保管の目安です。
そのまま飲む場合、フルーツビネガー1に対して、4倍の水や炭酸水で希釈して飲むのがおすすめです。
暑い日はかき氷シロップとして活用するのもいいですね。
氷砂糖がない場合、グラニュー糖や上白糖でも作ることは可能ですが、氷砂糖を使うことで甘ったるくない、すっきりとした味わいになります。
ここからは、いよいよ仕込んだフルーツビネガーを活用したレシピを2つご紹介します。
お酢は、減塩の心強い味方ですが、他にもさまざまな効果があります。
一例として、毎日継続的に大さじ1杯の酢を摂取することで、内臓脂肪の減少や、高血圧や血糖値の上昇を緩やかにするはたらきがあると言われています。
夏の暴飲暴食のリセットメニューとしても、ぜひ活用して下さいね。
紅茶鶏のフルーツビネガーソース
【材料】(1人分)
鶏むね肉 1/2枚(120g)
水 1カップ
紅茶ティーバッグ 1個
★フルーツビネガー 大さじ2
★醤油 小さじ1
★酢 お好みで
【作り方】
1.鶏肉は両面をフォークで刺しておく。
2.分量の水を湧かし、沸騰したら紅茶を煮出す。
3.ティーバッグを取り出したら鶏肉を入れ、やや中火でふたをして10分煮る。
4.一度上下を返し、再度ふたをして10分煮る。
5.そのまま火を止め、あら熱が取れるまで置いておく。
6.★の調味料を合わせる。味を見て酢で調節する。
7.ファスナー付き袋に★の調味料・鶏肉を入れ、空気を抜き冷蔵庫で一晩冷やしながら味を染み込ませたら完成。
紅茶で煮込んでたれに漬けるだけの簡単レシピです。
鶏むね肉はしっとり柔らかく、少し厚めに切っても食べごたえがあります。
フルーツビネガーの爽やかな味がポイント。
温めてもいいですが、今の時期は冷たいまま食べるのがおすすめです。
冷蔵保管で数日持つので、作り置きとしても活用してみてはいかがでしょうか。
食塩相当量:1.0g
ミニトマトとモッツァレラのフルーツビネガーマリネ
【材料】(1人分)
ミニトマト 5個
モッツァレラチーズ 25g
★オリーブオイル 小さじ2
★フルーツビネガー 小さじ2
★酢 小さじ1
★ハーブソルト 小さじ1/2
粗挽き黒胡椒 少々
【作り方】
1.ミニトマトはヘタを取り、1/8のサイズに切る。
2.モッツァレラチーズはトマトと同じ大きさに角切りにする。
3.ボウルに★の調味料を混ぜ、ミニトマト、モッツァレラチーズを加え、和える。
4.上から黒胡椒を振り、完成。
旬のトマトと、相性抜群のモッツァレラチーズを使った爽やかなマリネです。
アボカドやきゅうりを加えたり、サーモンや鯛など刺身と和えてもおいしく頂けます。
いろいろな種類のフルーツビネガーで食べ比べをして楽しむのもいいですね。
食塩相当量:0.4g
* * *
節約やエコの観点から、マイボトルを持ち歩く方も増えています。
自宅で作ったお気に入りフルーツのビネガードリンクを入れて持ち歩けば、蒸し暑い夏でも少し気分が上がるかもしれませんね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。