フランス近代絵画の巨匠、アンリ・マティス(1869-1954)とジョルジュ・ルオー(1871-1958)は、全く異なる画風の二人でありながら、フランス絵画の輝かしい伝統の継承者としての誇りと責任感を共有し、長く交流を続けました。
二人の交わした手紙から、マティスとルオーの友情を知ることができる展覧会が、東京・パナソニック汐留ミュージアムで開催されています。(~3月26日まで)
二人や家族の手紙を紹介しながらその時期の絵画作品を展覧している本展の見どころを、パナソニック 汐留ミュージアムの学芸員、富安玲子さんにうかがいました。
「パリの国立美術学校のギュスターヴ・モロー教室で共に学んだフランス近代絵画の巨匠、アンリ・マティスとジョルジュ・ルオー。日本初公開の多くの作品と貴重な資料を含む約140点を展覧いたします。
見どころは、パリのジョルジュ・ルオー財団等から出品される4点の絵画や3点のタピスリーなどのルオー作品のほか、マティスからルオーに宛てた直筆の手紙2点が初来日。
次に、ルオーの『気晴らし』シリーズの油彩画全15点が、世界で初めて一挙に公開。全点展示はフランスでも実現していません。また、この作品を原画に制作された美麗な版画集も合わせてご覧になれます。
最後に、約50年にも及ぶ手紙のやり取りを手がかりに、家族ぐるみの友情の軌跡をたどります。二人が共に大切にしていた祖国への愛と絵に秘められた思いを明らかにします」
二人の友情に迫る見どころ満載の展覧会です。ぜひ足をお運びください。
【マティスとルオー展―手紙が明かす二人の秘密―】
■会期/2017年1月14日(土)~3月26日 会期中展示替えあり
■会場/パナソニック 汐留ミュージアム
■住所/東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4階
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1000円 65歳以上900円 大学生700円 中小生500円 ※20名以上の団体は100円引、障がい者手帳所持者と介護者1名は無料
■開館時間/10時から18時まで(入館は17時30分まで)
■休館日/1月18日、25日、2月1日、8日、15日
■アクセス/JR新橋駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分、都営大江戸線汐留駅より徒歩約5分
取材・文/池田充枝
1989年「サライ」