写真・文/矢崎海里

里芋は、親いものまわりに子いもがたくさんできることから、子孫繁栄の縁起物として親しまれてきました。
年末のおせち料理では、筑前煮や白煮などで登場することも多いです。
今回は、そんな旬の里芋を使った減塩レシピをご紹介します。
皮つきで食べるレシピや、丸ごと加熱してつるんと皮をむく簡単調理法も合わせて紹介します。
里芋の皮をむくと手がかゆくなってしまうという方にもおすすめですよ。
皮つき里芋のから揚げ

【材料】(1人分)
里芋 80g
★めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1
★おろしにんにく 小さじ1/2
★おろし生姜 小さじ1/2
片栗粉 大さじ1と1/2
揚げ油 適量
【作り方】
1.里芋は皮つきのまま、たわしで繊維を落とすようにしっかり洗い、傷のある部分を包丁で取り除く。一口大に切り、★の調味料と一緒にポリ袋に入れてよく揉み込み、冷蔵庫で1時間以上漬ける。

2.1のポリ袋に片栗粉を入れ全体にまぶし、170℃の揚げ油で返しながら5分ほど揚げたら完成。

里芋は皮ごと食べることができます。
しっかり洗って汚れを落とし、傷んでいる部分を除いてから調理しましょう。
揚げることで皮が口に残らず、食べやすくなります。
にんにくと生姜で味付けして揚げた里芋のから揚げは、外側はカリッと、中はホクホク。
めんつゆを同量のぽん酢しょうゆに変えても、おいしくいただけます。
里芋のぬめり成分は、ガラクタンやグルコマンナンなどの水溶性食物繊維です。
消化吸収を助けたり、腸内環境を整えたりするはたらきがあります。
皮にも食物繊維が多く含まれているため、一緒に食べることで不足しがちな栄養素をしっかり補うことができます。
水溶性食物繊維は水に流れやすいため、加熱する際は蒸し器や電子レンジを活用するか、茹ですぎないよう注意しましょう。
食塩相当量:0.6g
里芋とツナのサラダ

【材料】(1人分)
里芋 80g
ツナ油漬け缶(汁を切ったもの) 50g
青ねぎ(小口切り) 1本分
マヨネーズ 大さじ1
【作り方】
1.里芋は皮つきのままよく洗い、耐熱容器に入れる。水大さじ1(分量外)を回しかけ、ふんわりラップをして600Wの電子レンジで4分程加熱する。上下を返しさらに4分加熱する。
2.やけどに注意しながら皮をむき、フォークでつぶす。

3.ツナ缶と青ねぎを加え、マヨネーズで味付けしたら完成。

定番のポテトサラダは、里芋でも作ることができます。
じゃがいもとは違いねっとりとした食感が特徴で、ねぎや大葉、みょうがなどの和風の香味野菜との組み合わせがおすすめです。
丸ごと加熱することで、つるんときれいに皮がむけます。
先ほど紹介した皮つきのレシピはちょっと……という方も、この方法なら余分にむくことなく、皮の近くに含まれる栄養素も上手に摂ることができます。
電子レンジ以外にも、茹でたり蒸したりして加熱する方法も可能です。
里芋の大きさによって加熱時間は調整してください。
里芋にはカリウムが多く含まれています。
その量はじゃがいもよりも多く、皮ごと加熱することでカリウムの損失を抑えることができます。
カリウムは、細胞内の水分量を調節したり、体内の余分な塩分を体外に排出したりするはたらきがあります。
食塩相当量:0.6g
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今回ご紹介した以外にも、皮つきの里芋を丸ごとホイルに包んで焼いたり、半分に切って味噌やチーズをのせて焼いたりと、皮をむかずに調理できるレシピはたくさんあります。
栄養も摂れて、生ごみも減らせて、下処理の手間も省けるので、ぜひお試しください。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。
