英語は、合理的でシンプルな言語というイメージを持つ方も多いかもしれません。でも実は、思わずハッとするような、きれいな表現もたくさんあります。今回は、そんな英語表現の中からひとつをご紹介します。

さて、今回ご紹介するのは “once in a blue moon”です。

目次
“once in a blue moon”の意味は?
“once in a blue moon” はどこから来た?
頻度を表す英語表現
最後に

“once in a blue moon”の意味は?

“once in a blue moon” を直訳すると、

“once” は(一度、かつて)、“blue moon” は(青い月)ですが……、そこから転じて

正解は……
「めったに起こらないこと」「ごくまれなこと」
という意味になります。

『プログレッシブ英和中辞典』(小学館)には、「((略式))めったに…ない.」と書かれています。

例えば、

1. “He visits us once in a blue moon.”
(彼が私たちを訪ねてくるのは本当にまれです。)

2. “I eat fast food once in a blue moon.”
(私はファストフードをめったに食べません。)

などと使うことができます。

“once in a blue moon” はどこから来た?

“blue moon”(青い月)という言葉は、もともと天文学の用語です。

通常、ひとつの季節(約3か月)の間に満月は3回現れますが、ごくまれに4回見られることがあります。この特別な4回目の満月を“blue moon” というそうです。とても珍しい現象であることから、「めったにないこと」の象徴となったようです。

ここから、“once in a blue moon” は、「ごくまれに」「たまにしか起こらないこと」を意味するようになりました。

頻度を表す英語表現

英語には、物事がどのくらいの頻度で起こるかを表す言い方がたくさんあります。以下にご紹介するのは、上から下に行くにつれて、頻度が高くなる表現です。

“Never” 決して〜ない

“Rarely” めったに〜しない

“Occasionally” たまに

“Sometimes” ときどき

“Often” しばしば

“Usually” 普段は、たいてい

“Always” いつも、常に

1. “ Never”

“I never eat breakfast at home.”
(私は決して家で朝ごはんを食べません。)

2. “Rarely”

“I rarely eat breakfast at home.”
(私はめったに家で朝ごはんを食べません。)

3. “Occasionally”

“I occasionally eat breakfast at home.”
(私はたまに家で朝ごはんを食べます。)

4. “Sometimes”

“I sometimes eat breakfast at home.”
(私はときどき家で朝ごはんを食べます。)

5. “Often”

“I often eat breakfast at home.”
(私はしばしば家で朝ごはんを食べます。)

6. “Usually”

“I usually eat breakfast at home.”
(私はたいてい家で朝ごはんを食べます。)

7. “Always”

“I always eat breakfast at home.”
(私はいつも家で朝ごはんを食べます。)

どれも日常の会話に登場する表現です。ぜひ覚えてくださいね。

最後に

筆者は先日、ひさしぶりに風邪で一日寝込みました。そのあいだ、夫や息子たちが交替で食事を作ったり、洗濯をしたりしてくれて、それがなんともうれしくて、「ああ、私はこうして、誰かに助けてもらいたかったのかもしれない」とふと思いました。一人で、家事も仕事もがんばっているつもりでいたけれど、実はずっと、手を借りたかったのだなあ、と。

以前にもご紹介した、アメリカの詩人メアリー・オリヴァーの『It Was Early』という作品に“sometimes”ではじまる一節があります。

『It Was Early』 by Mary Oliver

Sometimes I need
only to stand
wherever I am
to be blessed.

ときどき、私は
ただ立っているだけでいい
どこにいても
祝福されているのだ

出典:Mary Oliver, It Was Early, in Evidence: Poems, Beacon Press, 2010.

この詩は、朝の静けさの中で耳を澄まし、目をこらして、フクロウの声、光の中を走るミンクやネズミ、実った松ぼっくりなど、自然の営みに触れ、そのままで祝福されていると感じる気持ちが描かれています。

いろいろやりたいと、つい欲ばってしまうけれど、本当は、何かを成し遂げなくてもいい。ただ「ここにいる」だけで、すでに充分なのだと。

ふだんの暮らしのなかで、そんな風に感じられる瞬間があったら、それは何にも代えられない、かけがえのないものなのかもしれません。

次回もお楽しみに。

●執筆/池上カノ

日々の暮らしやアートなどをトピックとして取り上げ、 対話やコンテンツに重点をおく英語学習を提案。『英語教室』主宰。  京都祇園にある建仁寺塔頭両足院をベースに、ひとつのテーマについて英語で語りあう『うごく哲学』を対面とオンラインで定期開催。その他、他言語を通して、それぞれが自分と出会っていく楽しさや喜びを体感できるワークショップやイベントを多数企画。
インスタグラム

●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com

 

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