
日本の最西端にあたる沖縄県の与那国島から100kmほどの距離にあり、地形や近代史、さらには文化や人的交流の観点から眺めても、台湾は日本と密接な関係を築いてきました。日本人の口に合う美味しい食事、南国らしい豊かな自然、各地に残るどこか懐かしい景色や史跡の数々と旅行先としても人気です。
そこで今回は『サライ.jp』に掲載された、台湾のおすすめスポットをご紹介します。世界的に注目されている台湾ウイスキー、100年以上前に建てられた灯台、美しい色彩のマジョリカタイル、さらにおすすめの宿まで、台湾の魅力が満載です。
宿の連絡先、施設の営業時間や料金などのデータは変更になっている場合がありますので、ご確認のうえお出かけください。
■1:南国の果実の香り、伏流水のやわらかな口あたりを楽しむ「カバランウイスキー」

世界5大ウイスキーといえば、スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、そしてジャパニーズだが、これに続く第6のウイスキーが台湾ウイスキーといわれています。現在、台湾ウイスキーを牽引しているのが大手飲料会社・金車が設立したカバラン蒸留所です。
カバランウイスキーの特徴はマンゴーやパイナップルのような南国の果実の香り、伏流水のやわらかな口あたり、そして熟成樽の違いによる様々な味わい。蒸留所では製造工程や熟成庫、試飲などの見学コースを設け、予約すれば日本語でのガイドにも対応可能。台北市内にはカバラン直営のバーのほかショップもあります。
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■2:日本統治時代の建物に残る色鮮やかな「マジョリカタイル」

台湾の「老街」と言われる旧市街を歩いていると、赤煉瓦の建物やバロック調の彫刻を施した建物の壁に鮮やかな装飾タイルを見ることがあります。花や縁起のいい吉祥柄を配したこのタイルはマジョリカタイルと呼ばれ、日本統治時代の台湾に日本から運ばれたものが多いそうです。
日本では1929年の関東大震災を機に、タイルは耐火、防水性のある外壁素材として注目されました。1930年代には台湾でもブリックタイルが広まり、旧台北公会堂の中山堂や旧台北郵便局など、今も残る日本統治時代の官庁建築にそれを見ることができます。
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■3:人気観光地に建つ100年以上の歴史を持つ「高雄灯台」

四方を海に囲まれた台湾には、35基の灯台があり、「観光灯台」として一般開放されているのは、そのうちの22基。台湾南部最大の都市「高雄市」に位置する「高雄灯台」は、1883 年に旗津(きしん)区旗後(きご)山の頂上に建てられました。旗津は海鮮のおいしさに定評があり、高雄市内の人気観光地のひとつです。
ほかにも、台湾最南端の屏東(へいとう)県にある「鵝鑾鼻(がらんび)灯台」や、澎湖(ほうこ)諸島にあって台湾最古の歴史を誇る「漁翁島(ぎょおうとう)灯台」など、さまざまな灯台が「観光灯台」として一般開放されています。
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■4:先住民族の文化を体験できる温泉渓谷の楼閣「星のやグーグァン」

台中の郊外、3000m級の山々に囲まれる温泉地・谷關。令和元年(2019)に誕生した『星のやグーグァン』は、温泉渓谷の楼閣がコンセプトです。施設内に湧水を活かした水路と樹齢100年以上の二葉松などが茂るウォーターガーデンがあり、心地よい水音が響きます。
谷關はもともと先住民族・タイヤル族の狩猟地域で、今も伝統的な生活が根付いています。宿ではタイヤル族の文化を知る体験や、谷關温泉街の歴史散策などのアクティビティが用意され、土地の伝統や習慣、日本との関わりを知ることができます。
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■5:懐かしさと新しさの入り混じる個性的な宿「天下南隈」「謝宅」

いくつもの廟など古跡に囲まれた歴史地区に建つ、台南のランドマークとして親しまれたホテルをリノベーションした『天下南隈』。郷愁を誘う雰囲気とモダンさが融合し、調度を始め、宿の各所に籐素材や帆布などが使われ、台南らしさを醸し出しています。
古民家の民宿『謝宅』は、慣れ親しんだ古い建物が次々と壊されることを危惧した経営者の謝小五さんの生家を民宿に改修したもの。家族と過ごした当時の家具や調度品を活かし、台南の暮らしぶりが体感できると注目されています。
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豊かな食文化と史跡の宝庫、台湾。人気の高い観光地はもちろん、歴史や伝統が感じられるスポットへ出かけてみてはいかがですか。
文/編集部
