はじめに-北尾重政とはどのような人物だったのか

北尾重政(きたお・しげまさ)は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師です。独学で画を学び、浮世絵の世界で大成した重政は、当時の江戸を代表する美人画師として名を馳せ、門人を多く育てて北尾派を形成。また、書道にも優れた才能を示し、能書家としても知られていました。

そんな北尾重政ですが、実際にはどのような人物だったのでしょう。史実をベースに紐解きます。

2025年NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、蔦重出版物に「北尾重政」ありと言われるほどの人気絵師(演:橋本淳)として描かれます。

北尾重政
北尾重政

目次
はじめに-北尾重政とはどのような人物だったのか
北尾重政が生きた時代
北尾重政の生涯と主な出来事
まとめ

北尾重政が生きた時代

北尾重政が活躍した18世紀から19世紀初頭は、江戸文化が隆盛を極めた時代でした。浮世絵の草創期を経て錦絵が広まり、美人画や役者絵が流行しました。重政は、鈴木春信や勝川春章(かつかわ・しゅんしょう)らと並び、この時代の浮世絵美人画の一翼を担った人物です。

江戸では遊里文化や風俗画が大いに栄え、それに応じて浮世絵師たちが多くの作品を生み出しました。

北尾重政の生涯と主な出来事

北尾重政は元文4年(1739)に生まれ、文政3年(1820)に没しました。その生涯を、出来事とともに紐解いていきましょう。

書店を営む須原屋の長男として誕生

重政の本姓は、北畠(きたばたけ)です。江戸小伝馬町の書店を営む須原屋三郎兵衛の長男として生まれました。俗称は左助です。

画業の始まりと独自の画風の確立

重政は1750年代後半から画業を開始し、独学で腕を磨きながら才能を開花させていきました。その後、家業を弟に譲り、本格的に浮世絵師の道へ進むという大胆な決断を下します。

初期は鳥居派の影響を色濃く受けた作風を見せていましたが、1760年代に入ると、独自の表現スタイルを確立。錦絵が誕生した草創期を支えた重要な画家としてその名を知られるようになります。

繊細で流麗な筆致と、渋みを帯びた趣のある色調が特徴で、特に美人画や役者絵に秀でた重政の作品は、当時の人々を魅了しました。

美人画と役者絵の代表作。次ページに続きます

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