世界4大文明(メソポタミア・インダス・エジプト・黄河)の発展と共に文字が生まれましたが、現在でも使用されているのは黄河文明で生まれた漢字のみです。
日常的に使用していますが、読めそうで読めなかったり、もはや読み方の想像すらできないものまで存在します。近年ではパソコンやスマホの変換機能に頼って、ますます漢字が「読めない」「書けない」人が増えています。
『サライ.jp』でも人気のコンテンツ「脳トレ漢字」のおさらい企画として、毎月5本をセレクトして、ご紹介します。隙間時間にチェックして、記憶力を鍛えながら漢字の奥深さを楽しんでください。
■1:その姿が蝶々のカップルに似ているのが漢字の由来
正解は、玄関のドアやキッチンの棚などドアや扉に使われれている「ちょうつがい」です。ちなみに、建築業界では「蝶番」を「丁番」と表記し、「ちょうばん」と読むほうが浸透しているそう。
蝶番の基本な仕組みは、二枚の金属板を一本の回転軸で繋ぎ、その軸を中心に金属板が左右に開くというもの。「つがい」とは、「ふたつで1組になるもの」を意味し、その形状から止まっている雌雄の“蝶”のカップル(=“番”)に見立てたことが漢字の由来です。
■2:女性にうれしい成分が豊富なフルーツです
正解は、「ざくろ」です。
ザクロには、女性ホルモンの分泌を促し、ホルモンバランスを整える働きを持つエストロンや、抗酸化作用の高いポリフェノールが豊富に含まれているため、古くから「女性の果実」と呼ばれるスーパーフードです。
ざくろの原産国は、現イランあたりに昔あった「安石国」だとされていて、中国に伝わった後、日本に伝来したと言われています。その語源は諸説ありますが、日本に伝来した時に中国語の「じゃくりゅう」と言う読み方が訛り、「ざくろ」という読みに変化したと考えられています。
※「柘榴」の正しい読み方は?「せきりゅう」ではありません、果物の名前です
■3:酒の肴として人気メニューは、神様が柳の葉から作ったものだった!?
正解は、居酒屋でも人気の「ししゃも」です。
実はししゃもは、世界中でも北海道南部の太平洋沿岸の一部でしか獲れない、日本固有の魚ということをご存じでしたか。
その姿から「柳の葉」のような形の魚が漢字の由来ということは想像できますが、北海道のアイヌ民族には「神様が柳の葉が水に落ちて朽ちるのを哀れんで魚にした」「食糧に困った人々のために神様が柳の葉を魚にした」という伝説があります。
読み方もアイヌ語で「柳」を意味する「スス(シュシュ)」と、「葉」を意味する「ハム」を組み合わせた「susuham=スス・ハム(もしくはシュシュ・ハモ)」が変化して「ししゃも」になったようです。
■4:庭園や公園で見かける、池のほとりなどに建っているアレのこと
正解は、庭や公園などに設置されている「あずまや」です。
東屋という表記のほうがなじみがありますよね。
「四阿」の「阿」には「棟」という意味があります。つまり、四方に屋根がふき下ろされた建物だから「四阿」という漢字がつけられ、小屋の造りを表現しています。
なお、諸説ありますが「あずまや」には、「東国(田舎)にあるひなびた家」や「田舎風の粗末な家」という意味があると言われています。そのため、屋根だけの簡素な建物を「あづまや」と呼ぶようになったのです。
※「四阿」、正しく読めますか?「よんあ」と読んだら間違いです
■5:京都の丹波地方や滋賀県の長浜の名産品です
「しゅくめん」、「ちぢれめん」と読んでしまいそうですが、正解は「ちりめん」です。
絹織物の一種で、布面全体に「しぼ」と呼ばれる細かい皺があることが特徴。「縮」は「表面の細かい縮み」を、「緬」は「細糸」を意味し、その読み方は布の表面に細かい「ちぢみ(縮み)」があるので、「ちぢめん」が訛って「ちりめん(縮緬)」になったのではないか、と言われています。
なお、「ちりめんじゃこ」も、この縮緬が関係しています。小さな魚をたくさん煮て広げて干した姿が、縮緬を広げたように見えることが名前の由来のようです。
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すべて読むことはできましたか? 読めても、意味までは知らないことも多いと思います。じっくりと漢字と向き合うことで、その奥深さに感心し、知的好奇心も刺激されるはず。ぜひ、毎月の習慣として「脳トレ漢字おさらい編」を取り入れてください。
文/編集部