字画も少なく、しょっちゅう目にする簡単な漢字。読めそうなのに、いざ声に出して読もうとすると、正しく読めるかどうか心配になって、思わず声を細めてしまう漢字ってありませんか?
サライ世代ともなりますと、いったん思い込み認知をしておりますと、なかなかイニシャライズ(初期化)が難しいですよね。簡単な漢字であっても、脳トレ漢字の動画を見ながら確認学習をしていただくことで、思い込み認知をイニシャライズできる機会になると思います。
「脳トレ漢字」第70回目は、「四阿」をご紹介します。庭園や公園に行くと、池のほとりなどに立っているアレのことです。
また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「四阿」はなんと読む?
「四阿」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 普通に読めば「よんあ」ですが……
正解は……
「あずまや」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「庭園などに設けた四方の柱と屋根だけの休息所」と説明されています。庭や公園などに設置されている、休憩用、あるいは眺望用の小さな建物のことです。その多くは、周囲の自然に溶け込み、風流で雅な印象を与える建物になっています。
「四阿」の他にも「東屋」と表記することもできます。こちらの方が読み方のイメージが湧きやすいですね。「四阿」の場合は「しあ」と読むこともできます。
「四阿」の漢字の由来とは?
「四阿」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「阿」という漢字には「棟」という意味があります。つまり、四方に屋根がふき下ろされた建物だから「四阿」という漢字がつけられたのです。小屋の造りを表現した漢字だと言えます。
「四阿」(あづまや)の語源は?
漢字の由来を確認しましたが、そもそもなぜ屋根だけの簡素な建物を「あづまや」と呼ぶのでしょうか?
諸説ありますが、昔の都から見て東方に位置する地域で主に利用されていた建物だったからだといわれています。「あづま」は東国を指しており、東国とは現在における関東地方です。当時の東国は田舎であったため、「東国にあるひなびた家」や「田舎風の粗末な家」の意味で、簡素な建物を「あづまや(東屋)」と呼ぶようになったとされています。
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いかがでしたか? 今回の「四阿」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 小屋の造りと漢字が結びついた「四阿」。お出かけ先で休憩される際、漢字も自然と思い浮かんでくるのではないでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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