宮中では、権力闘争劇化の気配が漂う中で、花山天皇が寵愛する藤原忯子の体調が悪化する――。『光る君へ』第6回を振り返る。
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ライターI(以下I):前週、源雅信(演・益岡徹)の土御門邸で、藤原兼家(演・段田安則)と藤原頼忠(演・橋爪淳)が密談する中で、源倫子(演・黒木華)が愛猫の小麻呂(こまろ)を追いかけていったため、兼家の目にとまることになりました。
編集者A(以下A):ある意味、運命の出会いということになりますね。円融天皇(演・坂東巳之助)に入内した娘の詮子(演・吉田羊)が皇子を生み、その皇子(懐仁親王)が花山天皇の東宮(皇太子)となっていたため、兼家は次期摂政の座にもっとも近い立場でした。
I:そこで兼家は、左大臣家の源倫子を息子の道長(演・柄本佑)に娶わせて、一族の勢力を強めようともくろんでいるわけですね。後段で、詮子も源雅信に談判していましたし。
A:後に道長が権勢を握っていく過程で、姉の詮子が後ろ盾になってくれますので、第6回の段階でのこの描写は感慨深いですよね。
【源倫子を囲む会の場面。次ページに続きます】