皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。
第19回のテーマは、「内邪」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
内邪とは?
東洋医学では、病気の原因を「邪」と考えます。邪は、体の外側から来る「外邪」、そして内側に原因がある「内邪」があります。
外邪については前回の記事でご紹介しました。今回は内邪について解説していきましょう。
内邪は4つのタイプに分かれる
体のなかを流れるものが悪く変化し、病気の原因になることを内邪と呼びます。ここからは、内邪の代表的な4つのタイプ「気滞、瘀血(おけつ)、水滞、痰飲」について解説していきます。
1.気滞
気滞は、気の循環が上手く行かず、停滞してしまった状態を指します。
自律神経のコントロールが不安定で、精神的にもストレスが多く、些細なことでイライラし、抑うつや不安を感じます。眠りが浅く、夜に寝れず昼間に眠くなることがあります。
2.瘀血
瘀血は、血(けつ)の流れが悪くなり、滞っている状態です。
手足の冷えや冷えのぼせ、肩こりや頭痛のほか、あざができやすくなったり、女性は生理痛や生理不順も起きたりします。
また、肌に栄養が行き渡りづらくなり、新陳代謝が悪くなるとシミやくすみなどができやすくなります。
3.水滞
水滞とは、体の水の巡りが悪くなって様々な部位に滞っている状態です。
漢方における水とは、血以外の体液を指します。むくみやめまいのほか、関節の痛み、手足の冷えがあらわれます。また、消化器の機能も低下し、食欲不振や下痢の原因になります。
4.痰飲
体の水の流れが悪くなり、不要な水分をうまく排出できずたまった状態を痰湿といいます。
痰の量が多くなり、せきを繰り返します。重だるさを感じ、むくんだりしびれを感じることもあります。また、不眠や食欲低下、神経痛などの症状があらわれる場合もあるのです。
内邪には「情緒」が深く関係する
一般的に感情というと「喜・怒・哀・楽」の4つですが、中国の伝統医学や漢方では「怒・喜・思・憂・悲・恐・驚」の7つを指します。
そしてこれらを合わせて「七情」と呼びます。さらに、この感情の変化が体にも変化をもたらすと考えられているのです。
七情のうちのどれかの感情が強すぎたり、長期に渡ると病気の原因になってしまいます。これを「内傷七情」といいます。西洋医学でいうところのストレスに似ていますが、異なる部分もあります。
たとえば、「怒」が強すぎると、消化器の機能が低下し、頭痛やめまいが生じます。
また、「喜」が強すぎると心や肺に負担がかかることで、精神のバランスを崩し、集中力の低下や不安感を引き起こします。
このように、内邪には心の動きも影響しており、精神の安定は病気になりにくい体を作ることにもつながるのです。
漢方で病気に負けない体へ
内邪や外邪など、病気になる原因は様々です。病気に負けない体を作るには、毎日の生活を見つめ直すことも大事です。
規則正しい食生活を送る以外にも、体を気遣う方法はあります。たとえば、漢方という選択肢。
漢方には「未病」という言葉があります。発病にいたってはいないものの、健康からは離れている状態で、病気になる前の段階を指します。漢方は未病にもアプローチできるのです。
ただ、漢方薬は自分の体質に合ったものを選ぶことが大事です。体質に合っていないと効果が十分に出ず、副作用などのリスクもあります。
最近は「あんしん漢方」という、オンラインで簡単に利用できる漢方薬のサービスもあります。
きちんとあなたの体質や症状を診たうえでパーソナルな漢方医療を提供してくれるうえ、漢方が初めての方でも気軽に利用できます。相談から診断、漢方薬購入まですべてスマホで完結できるのもポイントです。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0094
心を安定させて健康な毎日を送ろう!
今回は「内邪」について解説しました。体の内側にも病気の原因があり、これには心の変化も影響します。
「病は気から」という言葉がありますが、ストレスのないおおらかな毎日を送ることが健康にもつながります。その際には、漢方薬も心強い味方になってくれるでしょう。
さて、次回のテーマは「未病のための漢方薬」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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