皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第13回のテーマは、「五臓の機能」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、篠原明宏さんに教えてもらいました。

五臓とは?

まずは、東洋医学における五臓はどういうものかという部分から解説します。

漢方では、体の働きを「肝・心・脾・肺・腎」の5つに分類し、これを五臓といいます。「五臓六腑」という言葉も、もともとは中国伝統医学から来ているのですが、この五臓は、西洋医学でいうところの「肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓」とは少し違います。

漢方はバランスの医学とも呼ばれますが、そのなかにおいても「肝・心・脾・肺・腎」は重要な考え方のひとつです。これらは、それぞれの部分が関連し、影響を与えます。

続いては、五臓についてさらに詳しくみていきましょう。

五臓それぞれの働き

五臓の「肝・心・脾・肺・腎」には、それぞれ役目と働きがあります。ここからは、五臓をひとつずつにわけ、異常がある場合にみられる症状も併せてご紹介します。

1.肝(かん)

肝は血液を貯蔵する働きがあり、血行に関係しています。排泄や解毒のほか、自律神経とも深い関わりがあり、肝の機能が低下すると怒りっぽく、イライラしがちになります。

爪が割れ、目や筋肉に不調が起こる場合もあります。

2.心(しん)

心は生命活動そのものに関わる最も大事な臓器です。血液循環や中枢神経を管理しています。血液の生成を行い、血液を体の隅々まで送り届けます。

心に不調が起きると、舌の変化や、異常な汗などの症状が起きます。

3.脾(ひ)

脾は栄養や水を吸収したり、胃と関係しているところです。食欲や味覚にも影響しています。内臓の位置を維持したり、血液を正常に運行したりすることにも関わっています。

脾の機能が低下した場合、口臭、口内炎、味覚異常などがあらわれます。

4.肺(はい)

肺では呼吸をすることで、大気から清気をとり入れます。漢方における肺の働きは、口や鼻から行う呼吸ばかりでなく、皮膚呼吸も含まれます。また、脾から津液(しんえき、体内の水分)を全身に運ぶ働きもあり、汗や尿の排泄にも関わっているのです。

肺に不調が生じると、風邪を引きやすくなったり、疲れやすくなったりします。

5.腎(じん)

腎は膀胱に関わっています。体内の不要な水分を排出し、水分代謝を担っています。また、体の成長や発育、生殖などの機能にも関係しています。

腎に不調が生じると、頻尿や多尿のほか、聴覚に異常が起きることもあります。

五臓からみる「自分の体質」

五臓を正しく理解することで、自分の体質がどんな傾向なのかを知ることができます。体質を知る3つのポイントについてご紹介します。

1.五臓のどの部分に症状が出るか

たとえば口や食道に異常を感じる場合は、「脾」の異常が疑われます。膀胱の調子が悪い場合は「腎」のバランスが崩れている可能性があります。

このように、体のどの部位に異常を感じるかで、その原因を判断することができます。

2.どんなトラブルが多いか

イライラし情緒が不安定になる場合は「肝」や「心」に不調が起きています。また、汗や呼吸器の異常なら「肺」です。

このように、症状やトラブルをもとにして、どこに不調が起きているのかを割り出すことができます。

3.影響を受けやすい食べ物や事柄

ここで、五臓の働きを助ける食べ物をご紹介します。意識的に摂取すれば手軽に不調な部位をサポートでき、体のバランスを整えられます。

■肝
うなぎ、アサリ、ほうれん草、小松菜

■心
小麦、卵、ニンジン、牛乳、烏龍茶


米、大豆、ショウガ、カボチャ、牛肉、鶏肉

■肺
大根、玉ねぎ、白菜、レンコン、ハト麦

■腎
サケ、エビ、昆布、サツマイモ、ぶどう

また、五臓は日々の生活からも影響を受けます。「心」はストレスに弱く、「腎」は疲れの影響が出やすい部分です。毎日を規則正しく過ごせば、五臓をいたわることにもつながります。

漢方は「体質との相性」が重要

五臓をみただけでも、体質は人によって異なり、様々な個性があることがわかります。まさに千差万別で、漢方薬を処方する際にも体質は最も重要な要素になるのです。

漢方薬は、処方や用法が間違っていると、効き目が出ないどころか副作用に見舞われる場合もあります。漢方の知識を有した医師・薬剤師の診断のもと、体に適したものを処方してもらう必要があります。

「漢方薬に興味はあるけど、薬局や病院に行くのはちょっと面倒……」という方におすすめのサービスが、スマホでも気軽に医師の処方を受けられる「あんしん漢方」です。

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五臓は自分の体質を知る重要な手がかり

今回は「五臓の機能」について解説しました。漢方における五臓は西洋医学とは異なります。「肝・心・脾・肺・腎」にはそれぞれの働きがあり、不調が起きている原因を割り出して、体質を知ることもできます。

漢方は体のバランスを整える医学です。日々の生活から五臓を意識することによって、不調を正し、健康を維持していきましょう。

さて、次回のテーマは「六腑の機能」です。ぜひご覧ください。

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
篠原明宏
薬剤師。東京薬科大学卒業。大学院にて子宮内膜症の研究に携わり修士課程を取得。その後、中国の上海中医薬大学に留学し本場の中医学を肌で学ぶ。帰国後は保険調剤薬局にて管理職、役員を経験。最新医療の知識と伝統的な東洋医学の多方面から患者様の現状にあった健康サポート提案を得意とする。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

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