古い茶葉をおいしく飲みきる｜緑茶を焙煎してほうじ茶にする方法

写真・文／矢崎海里

４月下旬から５月にかけて新茶が収穫されます。
一年で最初に摘まれるお茶を新茶と呼び、縁起物としても知られています。
日本各地のおいしい新茶を楽しむのもいいですが、引き出物や前に買ったお茶が残っていませんか。
古くなってしまったお茶は、焙煎して最後までおいしく飲みましょう。
今回は家庭で緑茶を焙煎してほうじ茶にする方法や、おすすめのレシピなどをご紹介します。

緑茶類について

煎茶もほうじ茶も同じ茶葉からできています。
緑茶の代表的なものが煎茶で、カテキンが多く緑色の浸出液が特徴です。
二番茶以降のかたい茶葉で作られた番茶を焙煎したものがほうじ茶です。
茶色い浸出液で、焙煎することで香ばしい香りが漂います。

賞味期限が過ぎたものや、封を開けてから時間が経ってしまったものは、風味が飛んでしまいおいしく飲めないことも。
そんな茶葉も最後までおいしく飲みきれるよう、家庭でほうじ茶に加工してみてはいかがですか。
フライパンとコンロ（IHも可）があれば簡単にできるので、新しいお茶を買うこの機会にぜひお試しください。

茶葉の焙煎方法

１．古くなった緑茶の茶葉をフライパンに入れ、弱中火で加熱する。

２．焦げないようフライパンを揺すりながら、茶葉の色が変わるまで５分程度加熱する。

３．色が変わったらすぐに別の入れ物に移す（余熱で焦げるのを防ぐため）

焙煎前が右、焙煎後が左です。
事前に茶こしなどで細かい茶葉をふるっておくと、よりムラなく均一に焙煎できます。

お茶を煎れる際は沸騰したお湯を入れ、１分ほど蒸らしてください。
緑茶は70℃～80℃の低温でじっくり旨味を引き出す淹れ方がありますが、玄米茶やほうじ茶は高温で香りを出す淹れ方があります。
香ばしい香りは食後にもぴったり。
濃く煮出せばほうじ茶ミルクティーなどにもアレンジできます。

今回はこのほうじ茶を使ったお茶漬けレシピをご紹介します。

ほうじ茶だしの鯛茶漬け

【材料】(2人分)
鯛（刺身用）　8切れ
★醤油　大さじ1
★みりん　大さじ1
★酒　大さじ1
すりごま　適量
ごはん　2人分
大葉　2枚
刻み海苔　お好みで
ほうじ茶（茶葉）　小さじ2
かつお節　ひとつかみ
熱湯　400cc

【作り方】
１．★の調味料を耐熱容器に入れる。ラップをしないで600Wの電子レンジで１分加熱する。
２．あら熱が取れたら鯛、すりごまを加えてポリ袋などで10分漬ける。

３．大葉は千切りにする。
４．急須にほうじ茶の茶葉を入れ、熱湯を注ぐ。ふたをして１分蒸らしたらかつお節を加える。

５．ごはんの上に２、大葉、刻み海苔をのせる。４を注いで完成。

ほうじ茶の香ばしさとかつお節の旨味が加わり、そのままでもおいしいだしに。
ごまだれの漬け鯛との相性もぴったりです。
刺身はもちろん、かき揚げや天ぷら、うなぎ、コンビニのおにぎりともよく合います。
急須がない場合も、だしパックにかつお節とほうじ茶の茶葉を入れてお湯を注ぐだけで手軽にほうじ茶だしが作れます。

＊　＊　＊

国内では静岡県や鹿児島県、宮崎県など各地でお茶が栽培されています。
産地により栽培しているお茶の種類なども異なるので、好みのものを見つけてみてくださいね。

文／矢崎海里（やざき・かいり）
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。