日本文化の源流が宿るとされる縄文時代。この時代に作られた10体の貴重な土偶を配置した。「原始の美」をお楽しみください。
今から約1万6500年前に始まり、1万年以上の長きにわたって続いた縄文時代。食生活や住居の建築、宗教観、自然観など、日本文化の源流は縄文時代に発するともいわれる。
縄文時代の象徴的な存在である土偶。各地で多種多様で個性的な土偶が作られた。その中から国宝5種と重要文化財を選りぬいて配し、クリアホルダーとして仕上げたのが今号の付録である。
仕切りを2枚備えた3ポケットで、外部から見える収納部と見えない収納部があり、使い勝手がよい。たとえば、すぐに取り出したいものと、そうでないものを分けて入れることができる。
文字がなかったゆえ縄文時代には謎が多く、中でも土偶は何のために作られたのか、その正体について考古学上の定説は今日にいたるまで、ない。しかし最近、「植物や貝類など、縄文人の食料の精霊を象ったもの」と捉える説が注目されている。
クリアホルダーの「原始の美」には、どこか親しみが感じられる。土偶たちの不思議な姿に「自然とともに暮らしていた時代」へ思いを馳せたい。
写真提供/ColBase(https://colbase.nich.go.jp/) 、東京国立博物館 TNM Image Archives、真室川町教育委員会
取材・文/五反田正宏
※この記事は『サライ』本誌2022年5月号より転載しました。年齢・肩書き等は掲載当時のものです。