219体のミイラと2000体以上の人骨、世界最大のキープコレクションを誇るレイメバンバ博物館
ディスカバリーチャンネルやオーストリアなどからの寄付により2000年に完成した「レイメバンバ博物館」。緑に囲まれた広々とした敷地には、カフェテリア、スーベニールショップ、会議室などが併設されている。展示室は「チャチャポヤ時代」(800~1470年ごろ)、インカ征服期の「チャチャポヤ-インカ時代」(1470~1533年ごろ)、博物館の目玉である「ミイラの部屋」、「現代の風俗・民俗学」の4区画に分かれ、パネルや模型も多く見ごたえのある博物館だ。
【Museo Leymebamba】
住所:Av. Austria s/n, San Miguel, Leymebamba
URL:http://museoleymebamba.org/
ミイラが遊びにやってくる「カサ・マルキ(ミイラの館)」
コンドル湖のミイラの調査・研究には、ペルー文化人類学の第一人者ソニア・ギジェン博士を始めとする世界各国の専門家が参加した。レイメバンバ博物館建設と並行し、当初は研究室を兼ねた研究者用宿泊施設として建てられたのが「カサ・マルキ(ミイラの館)」である。博物館の敷地内という見学には最高の立地を誇るこの館、現在は「オスペダヘ・ルラル・カサ・マルキ(田園のお宿 カサ・マルキ)」として一般の宿泊客にも開放されている。
「カサ・マルキ」のオーナーは、ペルー生活10年以上という日本人女性の作田文子(さくた・あやこ)さん。考古学や歴史学に造詣の深い文子さん、夕食時に食堂の暖炉を囲んで伺う話は興味深いものばかりだ。そんな彼女が、コンドル湖のミイラたちはとてもフレンドリーだと教えてくれた。
「このカサ・マルキには、ミイラ研究の専門家たちがよく滞在されます。するとミイラたちは『おや、この人はここにずっといるのかな?どんな人かな?』って覗きに来るんですよ。半年ほど前にいらしたブラジル人の研究者も、ミイラの洗礼を受けたそうです。夜にふと誰かに見られているような気がしたと思ったら、突然金縛りにあったと。驚いたけど、不思議と怖くはなかったそうです。ここのミイラは好奇心が旺盛だって、逆に話が盛り上がるんですよ」
文子さん自身もミイラらしい影を何度も見たことがあるという。「ここに来てからというもの、ミイラたちに見守られているなと感じることは多いですよ。だから彼ら(ミイラ)にはいつも感謝の気持ちでいっぱいなんです」と文子さん。
レイメバンバ博物館でミイラと対面し、カサ・マルキでミイラに見守られながら眠る。そんなミイラ三昧の日々が楽しめる場所は、世界でもそう多くはないだろう。
【Hospedaje Rural Casa Mallqui】
住所:Av. Austria s/n, San Miguel, Leymebamba
URL:https://www.casamallqui.com/
文・写真/原田慶子(ペルー在住ライター)
2006年よりペルー・リマ在住。『地球の歩き方』(ダイヤモンドビッグ社)や『トリコガイド』(エイ出版社)のペルー取材・撮影を始め、ラジオ番組やウェブマガジンなど多くの媒体でペルーの魅力を紹介。海外書き人クラブ(http://www.kaigaikakibito.com/)所属。