ビジネスクラスでゆとりのある旅
そんな悪魔祓いとニュピ体験から数年後、再び、年末年始にバリをたずねる機会が訪れました。前回は安宿でのんびりの庶民的な旅でしたが、今度の旅のテーマは「優雅にバリの年末年始を楽しむ旅」。あえて「外に出られない新年」を選んだのは、リゾートホテルのなかでゆっくり過ごし、街の明かりが消える新年の夜に、星空を楽しもうという「大人の旅」を満喫するためです。
バリに行くなら、直行便を運行しているガルーダ・インドネシア航空が便利。初めてのビジネスクラスにやや緊張しながら搭乗すると、脇には一人ひとつサイドテーブルが。窓側の席は一列、中央の席も二列のため、隣の人に「ちょっと失礼」と声をかけなくても、トイレに気兼ねなく行けそうです。席に着くと、フライトアテンダントさんがにこやかにシャンパンを運んできてくれました。
シュワシュワとした泡を楽しんでいると機体はゆっくり動き始めて、いつのまにか空の上。ガルーダ航空では和食、洋食、インドネシア料理の3つから好きな料理を選ぶことができるそう。インドネシア料理はこれからたくさんいただくので、あっさりした和食にしてみました。
まずは前菜。海老とユリ根の花びら、甘鯛のお吸い物、イカと筍の和え物が運ばれてきました。お酒は福島県の榮川酒造の純米吟醸です。
そして、メインディッシュが銀鱈の山椒黄身焼き。シェフが機内で調理する料理の数々は、味もさることながら見た目も美しく、ここが空の上ということを忘れてしまいそうです。
使用されるお皿は「とうしょう窯」、漆器は「西山漆器」で特注したものだとか。
デザートには、桃のコンポートに黒胡麻のブリュレ。抹茶のアイスクリームが添えられています。
お腹がいっぱいになったら、シートを180度倒して、フルフラットに。あまりに快適で、フライトアテンダントさんに起こされるまで、ぐっすり寝てしまいました。聞けば、新しい機体だそうで、音もほかの飛行機と比べて、だいぶ静かな気がします。シートにはマッサージ機能もついて凝った腰もよくもみほぐしてくれます。まさに空飛ぶホテル! エアライン・スターランキングで最高評価の「5スター」を獲得したという快挙も納得です。
しかし、慣れない上質な席にとまどうことも。フルフラットモードのボタンを押したとたん、脱いだ革靴がシートの底に挟まったり、素晴らしいワインリストに、ついつい頼みすぎて酔っぱらったりと、もっとビジネスクラスをスマートに利用できる大人になりたいと思いました。