日本最北端、稚内駅のホームに立つ。その瞬間、10日間の旅と出会いが、一瞬でフィードバックし、それまで予想もしなかった涙がこぼれた。
誰が待っているわけでも、誰かに会えるわけでもない。
でも、旅の途中には様々な人が待っていた。
月並みな言葉だが、この旅のエッセンスは「なかよし」。
一緒に旅行をしている人あり、たまたま乗り合わせて話に花が咲く人あり、大切な人に会いに行く人あり、大切な仲間たちとの旅があった。
そういえば、スタートの枕崎駅の前庭には、ハート形の敷石が置かれていた。新駅舎建設の際、偶然見つかったものだという。
その時はたいして気にも留めていなかったのだが、今思えば、この旅のメタファーだったように思えた。
この旅で出会った多くの方々と、ここまで読んでいただいた読者のみなさんへの感謝の気持ちとともに、この長い旅をしめくくりたい。
またどこかで会いましょう!
【実録「青春18きっぷ」で行ける日本縦断列車旅】
■乗車距離(営業キロ)3231.6㎞
■乗車時間(乗り換え時間・宮島航路含む)103時間58分
■乗車路線(第三セクター 新幹線含む)23路線
■停車駅数 777駅
■最短乗車区間:門司港駅~門司駅 5,5㎞
■最長乗車区間:姫路駅~米原駅 198.4㎞
■最南端駅:西大山(指宿枕崎線)
■最北端駅:稚内(宗谷本線)
■最西端駅:日進(宗谷本線)
■最東端駅:枕崎(指宿枕崎線)
■最南端購入駅弁:「栗めし」と「山彦かしわ飯」(人吉駅)
■最北端購入駅弁:「イクラ盛弁当」(旭川駅)
■主な乗車形式
国鉄型/115系電車、415系電車、キハ40系気動車、50系客車、8620型蒸気機関車
JR型/815系、817系、223系、227系、313系、211系、E129系、701系、721系電車、
キハ110系、キハ54系気動車
【実録「青春18きっぷ」で行ける日本縦断列車旅】
※ 1日目《枕崎駅~熊本駅》
※ 2日目《熊本駅~宮島口駅》
※ 3日目《宮島口駅~名古屋駅》
※ 4日目《名古屋駅〜戸狩野沢駅》
※ 5日目《戸狩野沢温泉駅~只見駅》
※ 6日目《只見駅~鶴岡駅》
※ 7日目《鶴岡駅~ウェスパ椿山駅》
※8日目《ウェスパ椿山駅~函館駅》
※9日目《函館駅~旭川駅》
文・写真/川井聡
昭和34年、大阪府生まれ。鉄道カメラマン。鉄道はただ「撮る」ものではなく「乗って撮る」ものであると、人との出会いや旅をテーマにした作品を発表している。著書に『汽車旅』シリーズ(昭文社など)ほか多数。
なお『サライ.jp』では引き続き、川井聡さんの「“青春18きっぷ”で行けるJR北海道全線の旅」をお届けしています。ぜひご覧ください!