文・写真/佐竹敦
伊豆半島は西伊豆の山中に「神洞滝」という滝があります。落差67mの大きな滝で、まるで空から優しく降り注いでくるかのような、たおやかな滝です。
この滝の最大の特徴はその形状です。実は『人』という文字の形に見える不思議な滝なのです。
一度真っ直ぐに落ちた滝が岩盤により左右に分断され、さらに大きな二つの流れとなって落ちていきます。少し離れたところから見ると、向かって左側の流れが、まるで海老反りをしているかのように「逆くの字型」に大きく折れ曲がっているのに対して、右側の流れはそれを支えているかのように見えます。
このため真っ直ぐに落ちている部分を併せて全景を見てみると、まるで『人』という文字の形をしているかのように見えるのです。
動画でもご覧ください。
「水に流す」という言葉があるように、滝の流れる姿を見ていると、日頃の疲れやストレスも一緒に洗い流されるかのようなスッキリとした気持ちになります。さらにこの神洞滝は、滝の形が『人』という文字に見えるので、ただ眺めているだけでも身も心も洗われるようで、本当についいつまでも魅入ってしまいたくなる癒し系の滝です。
都会の喧騒に疲れたら、神洞滝を訪ねて、身も心もリフレッシュしてみてはいかがでしょうか? ただしこの滝は水量に難のある滝で、まとまった雨が降ったあとなどを狙って訪ねないと、満足のいく姿を見ることができないのでご注意ください。
文・写真/佐竹敦
日本全国の即身仏・一之宮・五重塔・三重塔・滝百選・棚田百選・国分寺跡をすべて訪ね歩いた一人旅の達人。テレビチャンピオン滝通選手権出場。主な著書に「この滝がすごい!」「日本の滝めぐり」等。テレビ東京の「厳選!いい宿ナビ」のコラム執筆、@nifty温泉の記事執筆等、ライターとしても各メディアで活躍中。