文・写真/佐竹敦
栃木県を走るJR烏山線に、その名も「滝駅」という駅があります。
「滝駅」は1時間に1本列車が来るか来ないかといったローカル駅です。哀愁が漂う無人駅です。
そんな滝駅から歩いて5分ほどのところに「龍門の滝」があります。
そしてこれが龍門の滝です。
龍門の滝は落差が20mなのに対し、幅が65mと、落差よりも幅の方が広いワイド感のある滝です。
滝の目の前まで近付くと、視覚に収まりきらなくなるほどで、その川幅いっぱいに滝の水が怒濤のごとく流れ落ちてくる姿はとても迫力があり、見るものを圧倒します。
では動画で大迫力の龍門の滝をご堪能下さい。
この滝の魅力はそれだけではありません。「ある条件」が満たされると、滝と列車を一緒に見ることができるという、夢のコラボを目にすることができるのです。
実は滝の上に烏山線の線路があるのです。つまり烏山線の列車が通過する際には、龍門の滝の上を列車が走るという景観を観ることができるのです。こんな滝は、他にありません。
ただし、この烏山線は上りも下りも1時間に1本程度しか走っていませんので、滝と列車を併せて見るためには時間をうまく調整して訪ねる必要があります。
それでは龍門の滝の上を列車が通る場面を、動画でご覧ください。全部で13本の列車が龍門の滝の上を通過する様子を見ることができます。
この「龍門の滝」は、滝が流れている景観の中に列車が走るという絶景が見られる大変珍しい滝です。鉄道駅から滝のすぐそばまで簡単に歩いて行けるという点も魅力的です。
この夏、涼を求めて訪ねてみてはいかがでしょうか?
文・写真/佐竹敦
日本全国の即身仏・一之宮・五重塔・三重塔・滝百選・棚田百選・国分寺跡をすべて訪ね歩いた一人旅の達人。テレビチャンピオン滝通選手権出場。主な著書に「この滝がすごい!」「日本の滝めぐり」等。テレビ東京の「厳選!いい宿ナビ」のコラム執筆、@nifty温泉の記事執筆等、ライターとしても各メディアで活躍中。