文・写真/佐竹敦
まずはこの不気味で重苦しい雰囲気が漂った、鬼気迫る凄惨な光景をご覧下さい。
大木に数えきれないほどの鎌が打ち込まれています。何か禍々しさすら感じさせる光景ですね。
回り込んでも鎌、鎌、鎌。
後ろまでびっしり、大量の鎌が打ち込まれています。
一体全体、どういうことなのでしょう?
じつはこの木は、和歌山県の北部、かつらぎ町にある「鎌八幡宮」のご神木です。
鎌八幡宮は明治44年に兄井という地から移されたもので、イチイガシの大木をご神木としていますが、いつからか誰ともなく祈願のため鎌を打ち込むようになり、この名があるとのことです。
祈願成就のときは鎌が幹に食い込みますが、不成就のときは脱け落ちる、と伝承されているそうです。
この「鎌八幡宮」は、『丹生酒殿神社』の裏手にあります。
「丹生酒殿神社」の社殿の横に「鎌八幡宮」へと続く道があります。
いかがでしょう。もし何か願い事があるなら、鎌をご持参の上『鎌八幡宮』を訪ねて、祈願成就の“願掛け”をしてみてはいかがでしょうか。
うまく幹に食い込みますように……。
文・写真/佐竹敦
日本全国の即身仏・一之宮・五重塔・三重塔・滝百選・棚田百選・国分寺跡をすべて訪ね歩いた一人旅の達人。テレビチャンピオン滝通選手権出場。主な著書に「この滝がすごい!」「日本の滝めぐり」等。テレビ東京の「厳選!いい宿ナビ」のコラム執筆、@nifty温泉の記事執筆等、ライターとしても各メディアで活躍中。