コルマールのプティット・ベニス

取材・文/鳥海美奈子

フランスの北東部、ライン川をはさんでドイツとの国境近くに位置するアルザス地方。木の骨組みと漆喰でできたこの地方特有の家並みは、ドイツの影響を色濃く受けています。地理的にも文化的にも、独仏のあいだで揺れ動いた歴史を感じられる地方です。

アルザス地方観光局ウェブサイトより引用

このアルザス地方の観光の中心地が、コルマールという街です。この地方ではめずらしく戦火を逃れたので、中世からルネッサンス時代にかけての古い街並みがいまなお残存しています。

なかでもプティット・ベニス(小ベニス)と呼ばれる一帯は風情に満ち、その名のとおりイタリアのベニスを想起させる運河が美しく、観光客には人気の散策スポットです。

そんな趣ある景観をいっそう引き立てているのが、民家の窓辺や庭に飾られた、ゼラニウムなどの美しい花々です。フランスでは毎年、全国から1万以上の町が参加する「花のまちコンクール」があり、コルマールはもちろんエギスハイム、リボーヴィレ、カイゼルスベルグなどが、その最高ランクの4つ星を獲得しています。

またアルザス地方は、リースリングやピノ・グリなど、フルーティーな白ワインを多々産出しています。コルマールはぶどう畑からもほど近く、ワイン生産者のカーヴを訪問する起点としても便利です。

コルマールの街中には、日本でも人気の高い「ドメーヌ・マルク・テンペ」が運営するワインショップ『ソムリエ』があり、彼のワインは当然のこと、厳選されたナチュラルワインを購入することができます。

山中に位置する小さな村ニーデルモルシュヴィルも、近年とても話題のスポットです。ジャムで有名な『クリスティーヌ・フェルベール』のショップがあるからです。

地元の果物や野菜を使った風味豊かなジャムを求めて、日本はもちろん世界から観光客が押し寄せています。

アルザスは美食の街でもあります。ソーセージやハム、酢漬けキャベツを煮込んだシュークルートの他にも、パンのブリオッシュ生地を専用の型で焼いたクグロフ、クリーミーで個性の強いフロマージュ(チーズ)のマンステールなども特産です。

美しい旧市街の町並みを散策し、ワインと美食に舌鼓を打つ。そんなアルザス地方を旅の目的地のひとつに考えてみてはいかがでしょうか。

【フランス・アルザス地方の観光情報】
※ アルザス地方観光局ウェブサイト
https://www.tourisme-alsace.com/jp

取材・文/鳥海美奈子

 

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