兵庫県の北東の端、日本海に面した豊岡市は、城崎温泉と鞄の産地で知られる。昨今は各地から工芸の担い手が豊岡を訪ね、町の人々と新しい取り組みを次々に起こしている。
この柳細工アタッシェは、そこから生まれたものだ。
豊岡には、奈良時代からコリヤナギの細長い枝を編んで籠などを作る杞柳細工があった。柳行李は、この技術が生んだものだ。やがて明治になり、柳行李の角を革で補強し、取っ手や鍵を付けて完成したのが行李鞄。これが、その後の豊岡鞄の原点である。
そんな明治の行李鞄を現代的に仕立て直したかのようなこのアタッシェ。商品化は、京都の工芸プロデューサー中山久美子さんが行なった。
「杞柳細工は、今でも豊岡で続けられていますが、近年は女性ものが多くなっていたんです。そこで男性ものをと、アタッシェを作りました」
行李鞄の技術を受け継ぎ、アタッシェに加工したのは、丈夫な鞄作りで世界的に知られる豊岡の老舗工房である。
伝統的な杞柳細工では、コリヤナギの枝をそのまま編むが、このアタッシェは、枝を細く裂いて編み、軽快な感じを出している。
商品名/柳細工アタッシェ 「豊岡model YANAGI」
メーカー名/豊岡柳
価 格(消費税8%込み)/183,600円