戦後70年の日本の歩みは、日本人が漫画に夢中になった70年でもありました。『鉄腕アトム』『おそ松くん』『あしたのジョー』『ドラえもん』……。夢中になって読んだ名作は、友であり、師となりました。正義、努力、勇気、友情、そして生き方――。私たちは漫画から多くのことを学んだことでしょう。
今号の大特集は「みんな漫画で大きくなった」と題し、まずは漫画の起源や時代とともに進化していく創作技法などに焦点を当てながら、名作・傑作を例に漫画文化史を繙いていきます。続いて、そんな漫画で育ち、漫画をこよなく愛するサライ世代の識者8人が、「私の名作案内」と題して、思い出の名作に隠された作者の意外なメッセージや知られざる創作秘話を披露します。また、漫画家の足跡や作品世界に触れられる日本各地の漫画博物館や図書館も紹介していますので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
そして、84ページとボリュームのある別冊付録には、漫画史に残る手塚治虫の不朽の名作、『新寳島』(昭和22年)の前半部と、『ジャングル大帝』最終話(昭和29年)をそれぞれの復刻本から収録しました。漫画家の藤子不二雄Aさんは、『新寳島』との出会いを「目のくらむような衝撃を受け、僕はすっかり手塚先生の漫画の虜になりました」と語っています。胸を打つ『ジャングル大帝』最終話は、ストーリー漫画の最高峰といえるでしょう。
ふくいくたる香気と深い味わいが楽しめるコーヒーは、生活に潤いと落ち着きを与え、精神的な豊かさをもたらしてくれる特別な飲み物です。とくに自ら豆を挽き、自分や家族のために丁寧に淹れたコーヒーの味わいは格別なもの。今号の特集「家飲みコーヒーを極める」では、コーヒー豆の選び方から挽き方、淹れ方まで、自宅で味わうコーヒーの味を格段に向上させる秘訣や道具を案内しています。淹れ方のちょっとした違いで、味が大きく変わるコーヒー。香り高く、味わい深い至福の一杯を淹れる際の手引きとしてご活用ください。
「漫画で辿る戦後70年史」「美味しいコーヒーの淹れ方」を特集し、別冊付録「手塚治虫の懐かしの名作2本」が付いた『サライ』3月号。書店などで手に取ってお確かめください。