文・イラスト/小池美波
こんにちは。快適に過ごせる靴との出会い第8回目です。
靴についての質問の中で、
「靴紐がほどけやすいのだけど、どのように結べば良いの?」と聞かれることがあります。
歩行時に靴紐がほどけると、結び直すのは手間ですし、何より転倒しやすくなります。
以前、靴の履き方についてご紹介しました。
それに加え、「靴紐」を工夫すると履き心地が格段に良くなります。
今回は「ほどけにくい結び方」など、「靴紐」について様々な角度から解説していきます。
(1)適度な長さの靴紐を使用する
通常は購入時の靴紐をそのまま使用すると思います。
靴紐の長さが短い場合、きつく結ぶと足に痛みが出る事があります。
無理に使用せず、靴紐を交換して下さい。
その際には元々付いていた靴紐の長さを測り、それよりも10cm程長いものを購入しましょう。
靴紐が長すぎる場合、「靴紐に引っかかり転倒する」という事があるかもしれません。
短い時と同様に靴紐を交換するか、結び方を工夫する必要があります。
目安として下表を参考にして下さい。結び方によっても長さが変わります。
※鳩目(ハトメ)=靴紐を通す穴を指す。
運動用のスニーカーでは、男性用には120〜130cm、女性用には110〜120cmが使用されている事が多いでしょう。
(2)靴紐の種類で履き心地が変わる
靴紐によって、解けにくさや履き心地が変わります。
履き心地がイマイチと思う靴があれば、靴紐を換えてみるのも良いかもしれません。
・平らな太タイプの靴紐(フラットシューレース)
平タイプの靴紐は、締め過ぎずちょうど良いフィット感が得られます。
また、ほどけにくいのも特徴です。柔らかい反面、耐久性にはやや劣ります。
長時間履く靴にはこのタイプがオススメです。
・丸タイプの靴紐
丸タイプの靴紐は耐久性に優れています。
そのため、登山用の靴に使用されている事が多いです。
フラットタイプに比べるとほどけやすいです。
・細タイプの靴紐
細いタイプの靴紐は、靴のフィット感をより高める特徴があります。
その反面、締めつけが強いと感じる人も多く、長時間履いていると足の甲部分が痛くなる事もあります。
・平丸タイプの靴紐(オーバルシューレース)
平紐のほどけにくさと丸紐の耐久性を兼ね備えた形状です。
ジムやウォーキング用の運動靴にはオーバルタイプがオススメです。
凸凹があるオーバルタイプはよりほどけにくいです。
(3)用途に合った靴紐の結び方
・ 二段鳩目結び(ニダンハトメ)
これは足が全体的に細く靴紐が長く余り、フィット感が足りない人に向いた結び方です。
足甲が高い方は長時間履くと、痛みが出る事がありますのでお勧めできません。
最上部のアイレットに通常の方法で靴紐を通し、結ぶだけでもフィット感が上がります。※アイレット=ハトメの事。靴紐を通す穴を指す。
1. まず上から2番目のアイレットまで通常通り靴紐を通したら、クロスせずに同列最上のアイレットに靴紐を通します。
↓
2. 双方の靴紐の先を内側から反対側の輪の中に入れます。
↓
3. ここまで出来たら、通常通り靴紐を蝶々結びして完成。
・ イアン・セキュア結び
これはイアンさん(Ian・Fieggen)という方が考案された靴紐の結び方です。
その中でも、筆者が実践して良いと感じたオススメの方法です。
通常の結び方に比べ結び目が強くなり、歩行時にほどけにくいというのが特徴です。
脱靴時にほどきやすいのも良い点の一つです。
1. まず一重結びをします。
↓
2. 左右の靴紐の先で輪を作ります。
↓
3. 輪が出来たら左右の輪を交差させます。
↓
4. 赤い紐を奥から手前に、青い紐を手前から奥にくるっと回します。
↓
5. 同時に輪に通し、左右へ引っ張れば完成。
* * *
今回は、靴紐について解説しました。
皆さんそれぞれ足型が異なるため、既製品の中で完全に合うという靴はありません。
そんな時役に立つのが今回ご紹介した靴紐です。
私もこれまで実体験を基にお客様に靴紐のご提案をしてきました。
意外にも靴紐を換えるだけで楽になったという声は多いです。ぜひご活用下さい。
【参考サイト】
Ian’s Shoelace Site ( https://www.fieggen.com/shoelace/ )
文・イラスト/小池美波