文・イラスト/小池美波
こんにちは。快適に過ごせる靴との出会い第9回目です。
今回は「タイトな靴による体への影響」について解説していきます。
オンラインショッピングの普及により、靴をネットで購入するという方も多いのではないでしょうか。
その場合、適切な大きさではない靴を購入する可能性が高くなります。
⾃分の⾜に合わない靴を購⼊した場合、⾜に痛みを感じ、変形する恐れがあります。
実際に「足が変形しているから、大きい靴を買わないといけない」など、自分に合った靴を履く事が出来なくなったという声は多いです。
・タイトな靴による影響
お客様からお寄せ頂いたお悩みの中から、いくつかの例を挙げます。
1. ハンマートゥ
足のサイズに対し小さい靴を履くと爪先に圧力が加わり、足指の第一関節が曲がり固まってしまう事があります。
2. 巻き爪
自身の足甲より低い靴・幅が狭い靴を履くと、アッパー部分・地面の両方向から圧力が加わり、爪が埋没する恐れがあります。
3. 外反母趾・内反小趾
皆さんの靴の悩みとしてよく挙げられる外反母趾。
「若い頃からヒールばかりを履いてきたから、外反母趾になってしまった」という女性の方を多く見かけます。
最近は男性の方でも悩みを抱えている方が増えています。
もちろん体質も関係しますが、靴の形や履き⽅が影響します。
4. 腰痛など足以外の痛み
小さい靴を履いていると、靴の中で足・指が曲がった状態で長時間を過ごす事になります。
そのため、不安定なバランスを保とうと他の箇所に負担がかかってしまい痛みが出る事があります。
・「フィット」と「きつい」は違う
タイトな靴を好み履いている方から、
「時間が経ったら、生地が馴染んでくるから別にきつくても構わないよ」、
「これくらいピッタリしていないと、サポート感が足りないから」という話をよく伺います。
ある程度のきつさがなければ「脱げる」と不安になる方が多いようです。
靴が足にフィットした状態とは、「靴に足を入れただけの状態でフィットする」ではなく「靴紐を結んだ状態でフィットする」という事です。
実際に種類によっては生地が馴染むということはありますが、馴染むまで足に負担をかけ続けます。
認識の違いにより、現在は影響が出ていない方も今後痛みや変形に繋がる事がありますので注意しましょう。
・簡単な改善方法
1. 正しい靴のサイズを知る
正しい⾜のサイズを知り、適切なサイズの靴を履くようにしましょう。
ただ⾜の⻑さを測れば良いという事ではありません。
皆さんの⾜型はそれぞれです。専⾨のお店でどのような靴が合うのかを確認し、本当にフィットした状態を知りましょう。(計測について→快適に過ごせる靴との出会い vol.4)
2. 指を動かす十分なスペースがあるか確認しましょう。
カカトを合わせて靴を履き、紐を締めた状態で指を動かせるか必ず確認して下さい。
着席時は足指が縮んでいますので、起立した状態でおこないます。
(正しい靴の履き方はコチラ)
3. できるだけヒールのない低い靴を履きましょう。
ヒールが高いほど、爪先への負担は大きくなります。
お仕事が終わったら、低い靴に履き替えるなどの工夫が必要です。
4. 定期的に靴を交換しましょう。
お気に入りの靴があれば、毎日同じ靴を履いてしまいます。
足型やサイズに合っていない靴に足を押し込む状態が続くと、足に痛みが出る恐れがあります。
⾃分の足にあった靴を何足か準備しておくと良いでしょう。
5. 足指を動かしましょう。
⻑時間靴を履く方には、「足指」の運動をおすすめします。
靴に押し込められた足をほぐしてあげましょう。
「タオルギャザー」
タオルギャザーは足裏の筋肉を鍛える方法として知られていますが、様々な足の問題を軽減します。また、外反母趾の方は足のアーチが不安定な方に多いとされていますので、筋肉を鍛える事で予防も期待できます。
【方法】
・椅子とフェイスタオルを準備してこのように置いて下さい。
・椅子に座った状態で、タオルの端に爪先を合わせます。
はじめは片足ずつおこないましょう。
・「指の付け根」から動かすことを意識して、タオルを引き寄せます。
この時カカトが浮かないようにするのがポイントです。これをタオルの反対側の端までおこないます。
はじめは回数を減らし、無理をしないように気をつけて下さい。
今回は、これまでお伺いしてきたお客様のお声を基に解説をしました。
足の問題があると、日常生活の行動において何かと支障をきたすことがあります。
もし今回の内容に当てはまる方がいましたら、できる事から改善していきましょう。
文・イラスト/小池美波