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文・イラスト/小池美波

こんにちは。「快適に過ごせる靴との出会い」第10回目です。

今回は足の痛みにかかわるプロネーションについて解説していきます。

日々の生活の中で「ふくらはぎが張った感じがする」、「歩いていると土踏まず(以下アーチ)が痛い」などの経験はありませんか。もしかしたらその違和感にはプロネーションが関係しているかもしれません。

・プロネーションとは?

プロネーションとは、歩行時や走行時に体重をかけた足が内側に回転する自然な動きのことです。
通常歩行時には体重の2倍、走行時には3倍の重力がかかると言われていますが、この動きによって、着地した時の衝撃を受け止めています。

実はプロネーションという動作には、人によって差があります。

ここでは一般的な3つのプロネーションを取り上げます。

1. ニュートラルプロネーション

正常の範囲で回内しているものをニュートラルプロネーションと言います。

よく足の回内は良くないと思われている方がいらっしゃいますが、衝撃吸収するためには軽い回内は必要です。通常15%程度の回内があると言われています。

ニュートラルプロネーション

2. オーバープロネーション

ニュートラルプロネーションより、過度に回内する動きをオーバープロネーションと言います。足が不安定な状態になり、衝撃が効率的に吸収されません。

オーバープロネーションの方はアーチが崩れた扁平足であることが多いです。

原因:体重の増加 / 老化 / 足の疲労 / ハイヒールを長時間着用など
足の痛み:かかとの痛み / 足裏の筋膜炎 / ストレス骨折 / アキレス腱の痛みなど
体の痛み:腰痛、膝痛

オーバープロネーション

3. アンダープロネーション

アンダープロネーションは上記に対し、回内がほとんどありません。
反対に、足の過度な回外があります。

ふくらはぎ、膝、腰、背中など様々な部分が緊張する可能性があり、長時間の緊張は怪我につながります。

アンダープロネーションの方はハイアーチになりやすいです。

ハイアーチの場合、自然な衝撃吸収が得られず、ストレスがかかりやすい状態になります。

原因:タイトな靴を履く / 古く磨り減った靴を履く / 足の長さの違い / 遺伝など
足の痛み:足首の痛み / 足首の捻挫 / 足裏の筋膜炎 / ストレス骨折など

アンダープロネーション

・プロネーションの調べ方

靴の専門店やスポーツ用品店などで足型計測の際にプロネーションを確認できるものがありますが、今回は簡易的に調べる方法をご紹介します。

1. まず足を濡らして、茶色い紙の上にまっすぐ立ちます。(紙袋が代用できます。)

2. 続いて足跡を確認します。
下図で確認してみましょう。

プロネーションを確認

目安として全面的に足跡がうつる場合「オーバープロネーション」、半分程うつる場合「ニュートラルプロネーション」、足跡が一部しかうつらない場合は「アンダープロネーション」と判断して下さい。あくまで目安となる方法です。

正しい計測はコチラ

・プロネーションに合わせた靴選び(中敷選び)

ニュートラルプロネーション

このプロネーションの方は、ほぼどのような靴でも履くことができます。
ニュートラル専用の靴を選ぶのも良いでしょう。

オーバープロネーション

過度な回内を防ぐために靴の内側を支える構造が必要です。

また関節や筋肉に衝撃がかかりやすい状態のため、クッション性が高い靴を購入しましょう。

オーバープロネーション用の靴を履く場合には中敷の交換は必要ありませんが、サポート力の弱い靴を履く際には、自分に合った中敷に取り換えるのも効果的です。

下図のように体重がかかっています。

内側からアーチを作るような中敷や靴の構造であるとより安定感が増し、疲れにくくなるでしょう。

アーチを作るような中敷や靴の構造

アンダープロネーション

一般的にオーバープロネーションの方に対応した、運動用のスニーカーが多いです。

そのため他のプロネーションの方は注意が必要です。

ニュートラルもしくはアンダープロネーション専用の靴を選びましょう。

上記にてアンダープロネーションの方はアーチが高いとお伝えしました。
十分にアーチがあるからインソールは必要ないと思われている方もいらっしゃいますが、このプロネーションの方こそ必要かもしれません。

下図のように体重がかかっています。非常に不安定な状態です。アンダープロネーションの方はアーチを埋める中敷が必要です。高いアーチを支えることで筋肉の緊張が軽減します。

また衝撃吸収をサポートするクッション性の高い靴を選ぶことも大切です。

アーチを埋める中敷

今回は意外と知らない「プロネーション」について解説しました。

これまで「なぜか足裏の痛みが取れない」、「筋肉が張った感じがしていた」と悩んでいた方はご自身のプロネーションを確認し、靴を見直すことで解決することがあるかもしれません。

文・イラスト/小池美波
1993年広島県出身。ライター、イラストレーター、フォトグラファー。SonyWorldPhotographyAward2015入賞。現在の活動以前はスポーツメーカーに勤務。お客様の「お悩み解決」に尽力し、メーカー接客ランキング世界最優秀賞を獲得。

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